夏終盤の暑さを乗り切るための対策を紹介している本連載。3回目は海外の人たちが東京の暑さをどう感じているのかを調べたデータから、東京の夏の特徴とその対策を紹介します。
東京の夏を経験したことのある外国人100人を対象としたダイキン工業株式会社の調査(2014年)によると、すべての外国人が「東京の夏は暑い」と回答。さらに自国との比較については「耐えられないくらい暑い(25%)」、「暑い(44%)」、「やや暑い(19%)」を合わせると、約9割が「東京の方が暑い」と答えています。

暑さを感じる原因は湿度!? コンクリートに覆われた地面や夜間の気温も一因に
東京の夏(屋外)を暑く感じる理由については、ダントツで「湿度が高いため(80%)」が1位となりました。2位以下は、「気温が高い(56%)」、「地面がアスファルトやコンクリートに覆われている(28%)」、「夜でも気温が下がらない(28%)」などが続いてきます。
同じ温度でも湿度20%違うと体感温度は4℃違うといわれています。東京と同程度の気温の外国都市の人々にとっても湿度の高い東京の夏は、体感温度が高く、蒸し暑くて不快に感じるようです。

「日傘をさす」日本人に外国人は驚き!
東京の夏の暑さ対策で、あなたが感心した・驚いたものはありますかと聞いたところ、1位は「日傘をさす(46%)」でした。日本では多くの女性が暑さ対策、日焼け対策として日傘をさしていますが、外国ではあまり一般的でないようで、半数近い外国人が驚くという結果になりました。
2位は「うちわや扇子を使う(37%)」、3位は「浴衣を着る(35%)」「涼感グッズを使用する(35%)」でした。以下、「打ち水をする(32%)」「風鈴をつるす(21%)」が続いており、古くから日本人が実践してきた暑さをしのぐ知恵や工夫に、外国人が感心している様子が見て取れます。
日本人にとっては当たり前と思っている暑さ対策も外国人から見ると不思議で驚きがあるようです。
蒸し暑さ対策には湿度コントロール
東京の夏は湿度も高く、自分が思っている以上に汗をかいていることがあります。気温が高い場合はこまめに水分を補給し、涼しい場所で休憩を取るようにしましょう。
また、同じ温度でも高湿度の方が暑く不快に感じ、低湿度のときにちょうどよく快適に感じます。
その理由は人間の体温調節機能が快適な体温に保つために発する汗が、低湿度ではきちんと蒸発して気化熱によって体温を逃がしてくれるのに対し、湿度が高いと汗が蒸発しにくく十分に体温を下げることができないためです。気温だけでなく、湿度もチェックすることを習慣づけることが重要です。
秋に向けて夜になると気温は徐々に低くなっていきますが、まだまだ湿度は高く、寝苦しい夜は続きます。湿度をチェックして、高いようであればエアコンの設定温度を下げるか、除湿機能を使って湿度を50~60%に調節しましょう。
