アピアランスケアとは、がん治療中の外見のケアのこと。
たとえ当事者ではなくとも、家族や友人、大切な人たちと心地よい暮らしを送るために、
知っておきたいアピアランスケアについて、順を追ってご紹介。
その1
アピアランスケアってなに?
日本では、生涯のうち2人に1人ががんになるといわれている。なかでも乳がんや子宮頸がんといった女性特有のがんの影響で、若い世代では女性の罹患数が男性を大きく上回る傾向がある。
働いたり、遊んだり、子育てをしたり──忙しい日々を送るなかで、治療による外見の変化は生活そのものを揺るがしかねない。肌や爪の変色、鏡の前で手に取る抜け落ちた髪の毛。命に直接かかわらないとしても、「人前に出るのが不安」「自分らしさを失った気がする」といった思いが、心に深い影を落としてしまうのだ。
しかし実際には、外見の変化について相談することをためらう方も少なくない。「治療中なのだから仕方がない」と自分を納得させたり、周囲に気を遣うあまり、ひとりで悩みを抱え込んでしまう方もいる。
アピアランスケアとは、そうした思いに寄り添い、化粧やウィッグ、スキンケアなどを通じて生活の質(QOL)を守る取り組みのこと。厚生労働省のがん対策のひとつにも位置づけられており、患者が自分らしさを取り戻し、明日を軽やかに生きるための大切なケアとされている。
質問:がん治療による外見の変化(脱毛や皮膚障害などを含む)に関する悩みを医療スタッフに相談できましたか。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001249856.pdf)
その2
どうして大切なの?
アピアランスケアの目的は、「患者の生活の質(QOL)の向上」。治療による変化との向き合い方を共に考え、再び人や社会とのつながりを取り戻せるように支えることにある。
「髪が抜けた」「眉毛が描けない」──そんな小さな変化が、人前に出る勇気を奪うことも少なくない。アピアランスケアは、その壁を少し低くして「これなら大丈夫」と思えるように後押しする取り組みなのだ。
同時に、社会の理解も大切。知識がなければ、周囲は声をかけることすらためらい、関係が途切れてしまうかもしれない。がんが身近になった今、アピアランスケアを知ることは「周囲の誰かが当事者かもしれない」「自分も当事者になるかもしれない」と、自分ごととして考えるきっかけになる。その小さな気づきの積み重ねが、がんと共生できる社会を育てていくことにつながるのだ。
その3
アピアランスケアの総合情報サイト ファンケル「Nagomi time」をチェック!
ファンケルが運営する「Nagomi time」は、がん患者とその家族に向けたアピアランスケアの総合情報サイト。外見の変化を段階的に理解できるコンテンツや、ケアの方法をまとめたパンフレットを公開している。「Nagomi time」を担当するファンケルの秋山さんは言う。「医療従事者と患者双方の声を取り入れ、実際の体験に基づいたリアルなアドバイスも数多く掲載しています。さらに、味覚の変化に寄り添うレシピ集や、治療中も無理なくつづけられるエクササイズなど、日々の暮らしを支えるアイデアも。ウィッグ購入などに活用できる助成金制度の情報も整理されており、治療を始める前に確認しておくと安心です。「Nagomi time」は、がんと共生できる社会を広げていくための挑戦でもあります。がんは誰にとっても起こり得るもの。だからこそ、アピアランスケアを身近なものとして意識することが大切です」
がんと共に生きることを、プラスに描ける社会へ。未来をひらく一歩を、「Nagomi time」とともに踏み出してみよう。
ファンケルの「Nagomi time」はこちらより
https://nagomi.fancl.co.jp/