2019年から2020年に韓国で放送され、その後Netflixで世界190ヵ国へ配信された大人気ドラマ『愛の不時着』。2023年9月に韓国で上演されたミュージカル版が、2024年2月8日（木）から東京・有楽町よみうりホールにて公演中だ。
朝鮮人民軍軍人のリ・ジョンヒョク役を演じるユンサナ（ASTRO）、韓国の若き実業家ク・スンジュン役を演じるジンジン（ASTRO）の二人に作品の魅力や日本公演に懸ける意気込みを聞いた。
※リ・ジョンヒョク役はハンスンユンとのWキャスト、ク・スンジュンはのサンヨン（THE BOYZ）とのWキャスト
━━世界的にヒットしたドラマのミュージカル版。出演が決まったときはどんな気持ちでしたか？また、お互いに共演することが分かったときはどう思いましたか？
ユンサナ ：はじめはすごくストーリーが重くのしかかる素材なのかなと思ったんですが、実際に作品を見てみると、ユーモラスで面白い場面も多い。そして恋愛関係が中心に描かれているので面白いなと思いました。
そんな大人気のドラマが原作だったので、ミュージカル版の出演の提案をもらったときは、自分がその役割をやり遂げられるのかとちょっと心配した部分がありました。
でも、日本で舞台に立つことに一度は挑戦してみたいなと思っていましたから、一生懸命練習しました。ジンジンお兄さんとの共演については、まず役がしっくり合っているなと思いましたし、本番は一生懸命に頑張って、オフの日はお兄さんと一緒においしいものも食べるなどして日本を満喫したいと思っています！
韓国のボーイズグループ「ASTRO 」のメンバーとしてデビュー。グループではリードボーカルを務めており、日本語が堪能。昨年6 月には来日公演で約4 万人を熱狂させ、日本だけでなく海外でも人気を集めている。俳優としての活躍と優れた歌唱力が本作に対する期待を高める。
ジンジン：『愛の不時着』は大ヒット作品で、ストーリーラインがすごくいいなと思っていたので、オファーがあったときは脚本を読む前に出演を決めました。日本でミュージカルをすることも、すごく面白そうだなと思いましたね。
韓国の別の作品で、ASTROの兄貴であるMJと一緒に出演していて、頼れる人が舞台上にいる経験をしています。今回はユンサナと二人で支えあいながら関係性を築けたらと思います。
韓国のボーイズグループ「ASTRO 」のメンバーとしてデビュー。グループではリーダーで、パワフルなラップが魅力。昨年6 月には来日公演で約4 万人を熱狂させ、日本だけでなく海外でも人気を集めており、グループ活動にとどまらず俳優としても活躍している。
━━ミュージカル版ならではの魅力はどこにあると思いますか？
ユンサナ ：気持ちを歌で紡ぐことができることが、ミュージカルならではの魅力だと思います。感情が歌として表現されていくのはすごくいいですよね。
この素晴らしい作品に歌が入ることによって、もっと感情的に、より豊かに、作品を楽しめるのかなと思います。その醍醐味を観客にも感じてもらえるように頑張りたいと思います。
ジンジン：ドラマとミュージカルの差については、ユンサナが言ってくれたように、ミュージカルの方がより豊かに感情を表現できる気がします。
ダンスもあって歌もあって演技もできて、観客と一緒に呼吸をできるような空間がミュージカルの魅力だなと思っています。でも、裏を返せばすべてに気を払わなくてはいけないので…。いろいろな経験や過程を経て自分自身の成長も感じていますが、もっと挑戦したいなと思っているところです。
━━ユンサナさんから見て、ジンジンさんとク・スンジュンは、似ているところがあると思いますか？
ユンサナ：うーん、お金が多いこと？（笑）。まずジンジンさんとク・スンジュンの共通点は、自分がすごく好きな人に対して、いたずらするなど、すごくダイレクトな表現をするところが似ているかなと思います。
━━ジンジンさんから見て、ユンサナさんとリ・ジョンヒョク役が重なると思うところは？
ジンジン：あはは、そうですね。自分としてもク・スンジュン役のオファーがあったときに、自分と被る部分が多いなと思ったので、彼の言う通りかもしれません。
ユンサナもいたずら好きだったり、ユーモラスな部分があったりしますが、真剣なときは真剣になるので、リ・ジョンヒョクのようなキャラクター性はあると思います。
舞台を見ていただくとわかると思いますが、面白くて楽しい場面のときはすごくウィットがあって、サナのグループ内での末っ子の姿が見えると思います。その一方で、場面によってはサナが真剣に仕事をしている姿も見ることができると思います。
ユンサナ：そうだと思います。グループの他のお兄さんたちや友達といるときはすごく楽なんです。でも、考えごとをしているときには「すごく冷たい」とも言われます。
━━ストーリーライン、歌、ダンスといろいろ見どころはあると思いますが、改めて作品の見どころを教えてください。
ジンジン：ドラマを見た方はわかると思いますが、ク・スンジュンが最後に死ぬシーンが出てきます。追われ、逃げ回って、最終的にはソ・ダンに寄り添って死ぬ。そのシーンがミュージカル化されることにより、観客がもっと悲しくなるシーンに仕上がっていると思います。なので、頑張って、死んでみます（笑）。
ユンサナ：「偶然のような運命」という曲がありますが、その歌のタイトルがポイントだなと思っています。偶然の出会いから、二人は寄り添い、繋がっていく。運命になる。偶然と運命、この言葉の並びがすごく不思議だし、素敵だなと思って。偶然から運命になる過程が見どころかなと思います。
━━公演期間は2月28日までの約３週間です。日本でやりたいことはありますか？
ジンジン：日本に来るたびにいろいろなものを食べますが、ラーメンが好きなんです。昨日もとんこつラーメンを食べましたが、おいしかったです。
おいしいものを食べると幸せを感じます。今回の日本滞在中にもグルメツアーをしたいですね。
ユンサナ ：寝る前によくYouTubeなどで日本の動画を見るんです。東京にはヴィンテージショップがたくさんあるそうなので、行ってみたいです。あとはラーメン。油そばを食べてみたいです。
1ヶ月ほど日本に滞在するので、観光客が知らない、現地の人たちの行きつけのお店を自分で見つけたいですね。ローカルのお店は、日本語と漢字しか書いてないので読めるかどうかちょっと不安ですが…東京をマスターしたいと思います。
━━今後の俳優業の目標はありますか？
ユンサナ：日本語を一生懸命勉強したときに、日本のドラマをたくさん見ました。日本のドラマやバラエティ番組に出ることは目標ですね。それから、日本でバンドデビューすることも目標でした。
グループ活動をしながら俳優をすることは、今までやったパターンと違うので、不安な部分もあったのですが、やればやるほど演技の魅力を感じました。たとえばリ・ジョンヒョクの場合は銃を持って構えるシーンがありますが、そういう普段できないことを表現できたり、練習しながら新しい経験ができたりするところにも魅力を感じています。
ジンジン：私はミュージカルで初めて演技の世界に入リました。やはりミュージカルの演技は感情を外に出せることがいいですよね。私はあまり感情を表に出さないタイプなんですが、演技経験を通じて、感情を表にさらけ出し、メンタルがすごく強くなった感じがします。
それからユンサナも言っていたように、なかなか表現できなかったことを人の前でもっと表現できるというところも俳優業の魅力。これからもっといろいろな演技に挑戦してみたいですし、ミュージカル以外にも挑戦したいなと思います。
━━最後にファンや観客の皆さんに一言、お願いします！
ジンジン：サナと私が『愛の不時着』の公演を日本で上演することになりました。最初はすごく心配と期待が入り混じっていましたが、今（※）、リハーサルをして、一生懸命開幕に向けて準備する中で、観客がすごく楽しめる作品だなと思います。
舞台の両サイドに字幕がちゃんとあるので、韓国語が分からなくても楽しめると思いますし、老若男女問わず、皆さんが癒される作品だと思いますので、ぜひ観に来てください。
ユンサナ：日本でも『愛の不時着』は大人気だと聞きました。その主役であるリ・ジョンヒョクを演じることをとても光栄だと思っています。その期待を裏切らないように、失礼にならないように、頑張って準備していますので、もしお時間がございましたら、ぜひ公演を見に来てください。
※取材日：2024年2月6日
撮影協力：星のや東京 https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyatokyo/
INFORMATION
2月28日まで、有楽町よみうりホールにて公演中！
ミュージカル「愛の不時着」
（出演）
リ・ジョンヒョク役：ユンサナ／ASTRO、ハンスンユン（Wキャスト）
ユン・セリ役：キムリョウォン、リンジ（Wキャスト）
ク・スンジュン役：サンヨン／THE BOYZ、ジンジン／ASTRO（Wキャスト）
ソ・ダン役：チスヨン、ジョンヨン（Wキャスト）
チョ・チョルガン役：ホギュ
北朝鮮兵士ピョ・チス役：カンドンジュ
北朝鮮兵士パク・グァンボム役：ジヒョク／SUPERNOVA・超新星
北朝鮮兵士キム・ジュモク役：カンドンウ
北朝鮮兵士クム・ウンドン役／キムビョンヨン
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