知っておきたい、スポーツ観戦をとりまく問題/挑戦するアスリートに、安心とRESPECTを。「RESPECTion!」プロジェクト[スポーツ観戦をしよう!]


知っておきたい、スポーツ観戦をとりまく問題

 スタジアムで声を合わせ、選手の活躍に心躍らせるスポーツ観戦。その応援の裏側で起きているさまざまな問題と、ファンが取るべき行動について、専門家に聞いた。


高橋弁護士に聞く、
アスリートと誹謗中傷の現状

Q. 選手たちはどんな問題に直面している?
A. アスリートへの誹謗中傷には敗戦やミス、移籍、代表選考などのきっかけがあることが多く、一度に多くの言葉が選手に集中して被害が深刻化しやすいといえます。「死ね」「消えろ」「ゴミ」といった直接的侮辱だけでなく、人格否定、根拠のない名誉毀損、さらには家族に危害を加えるなどと脅す投稿も存在します。

Q. 女性アスリート特有の問題もある?
A. 競技と無関係に身体や容姿を性的対象として扱われる問題が深刻です。特定の部位を性的な意図でズームして撮影する、写真と卑猥な言葉をSNSなどに投稿する、性的なコメントやメッセージを送るといった被害が確認されています。ジュニア世代や男性アスリートも、同様に性的な被害を受けることがあります。

Q. 法整備や会場のルール変更は進んでいる?
A. 2025年に施行された改正スポーツ基本法では、暴力や性的な言動、盗撮、誹謗中傷で競技環境が害されないよう、国や地方公共団体に必要な措置が求められるようになりました。競技会場では撮影禁止エリアを設ける、撮影を許可制にする、悪質な撮影について画像の削除や退場を求めるなどの対応が実施されています。

Q. ファンが気をつけるべきことは?
A. 大切なのはプレーへの批判とその人自身への攻撃は違うと理解すること。競技について自由に語りながら、リスペクトを意識してほしいです。観戦中は審判を含め、競技に関わる人への暴言に注意。SNSでは「投稿を本人や家族が見るかも」と考えるだけで違うと思います。悪質な投稿を面白半分に拡散することも被害を広げます。

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高橋 駿 (たかはし・しゅん)

弁護士。1993年生まれ。早稲田大法学部卒、同大法科大学院修了。スポーツ法務やアスリートへの誹謗中傷やハラスメント対策に長年にわたって取り組む。日本プロ野球選手会顧問弁護士、日本スポーツ法学会スポーツ契約等研究専門委員会委員長。アスリートや審判に対する誹謗中傷の抑止・法的相談などを行う団体「COAS」の発起人・代表を務める。


こんな応援が、力になりました。

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カーリング
吉田知那美 選手

 北京五輪のとき、長年ロコ・ソラーレを応援してくれている方から「入院中で、テレビで試合を見るのを楽しみにしている」というメッセージをいただきました。「負けても『次、頑張るぞ!』と笑顔でリンクに戻ってきて、次に挑んでいく姿に励まされた」と。勝ち負けも大事だけれど、「自分たちらしいパフォーマンスをする」というのが私たちにとって大切なこと。それをファンの方も大切にしてくれていたのが本当にうれしかったです。

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元競泳選手
大橋悠依 さん

 パリ五輪の代表選手選考会で400m個人メドレーでの出場権を逃してしまって、ネットニュースのトップに「大橋、五輪絶望的」という記事が出ました。コメントが数千件。よくないと思いつつ見てみたら、そこには「頑張ってきた選手に対してそんな書き方はおかしい」「大橋さんは200mがメインだから大丈夫!」など、好意的なコメントが多かったんです。ネットの言葉には傷つけられることも多いですが、これには救われました。


挑戦するアスリートに、安心とRESPECTを。
「RESPECTion!」プロジェクト

RESPECTion!宣言
● RESPECTをカルチャーへ
● 心からの応援がチカラに
● アスリートの先に人間がいる
● チャレンジする姿勢にエールを
● 社会を変えるACTIONに

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「RESPECTion!」プロジェクトとは?

 「RESPECTion!」とは、RESPECTとACTIONを組み合わせた造語。SNS上の誹謗中傷や不適切な撮影、AIを悪用した画像改変など、アスリートの尊厳を脅かす問題を知り、選手、ファン、メディア、競技団体、社会全体で解決に向けた行動を考えるプロジェクトだ。失敗を過度に責めず挑み続ける勇気をたたえる姿勢、選手が安心して競技に向き合えるスポーツ文化を、応援する私たちからつくっていくことを目指す。


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栗山英樹さん
RESPECTion!推進委員
北海道日本ハムファイターズ
チーフ・ベースボール・オフィサー

 監督時代ずっと選手たちに言ってきて、皆さんにもお伝えしたいのは、人と話をする時、自分の思いを伝える時、まずは自分から受け手の体に入って、どう受け取るのかを考え、どのように伝えたら良いのか、それを考えていきましょうということです。スポーツだけではなく、一生懸命やっている人に対してどんな言葉をかけるのかを考えることが、日本人の持っている品位だと思います。

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羽根田卓也選手
RESPECTion!アスリート
カヌー選手(ミキハウス所属)

 スポーツは本来、人をつなぎ、社会に前向きな力を生み出すものだと思っています。誹謗中傷は選手を傷つけるだけでなく、その挑戦をためらわせてしまうことにもつながります。互いを尊重し、挑戦する人を温かく見守る文化が広がってほしいと願っています。

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寺本明日香さん
RESPECTion!アンバサダー
元体操選手

 アスリートへの誹謗中傷をなくし、リスペクトが当たり前になる社会へ。言葉は時に刃となりますが、応援は人を動かす原動力になります。SNSの未来とスポーツ界、そして社会全体の価値観を変えるためにも今こそリスペクトの行動を共に起こしましょう。

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登坂絵莉さん
RESPECTion!アンバサダー
元レスリング選手

 アスリートとして、これまで何度も応援の力に支えられてきました。一方で、言葉ひとつが大きな影響を与えることも実感しています。SNSなどを通して誰もが想いを届けられる今だからこそ、その言葉が誰かの力になるのか、少しだけ考えてみてほしいです。アスリートは特別な存在ではなく、挑戦を続ける一人の人間です。温かく見守り、応援し合える社会を一緒に広げていきましょう。


RESPECTion!を知ってアスリートを応援しよう

 「RESPECTion!」プロジェクトの公式サイトでは、プロジェクトに賛同するアスリートや有識者から寄せられたメッセージのほか、選手も出演するイベント情報などを発信。インスタグラムでは、応援がもつ力やフェアプレー精神が伝わるさまざまな競技の写真を随時掲載している。チェックして“RESPECT”の心への理解を深めよう。

RESPECTion!
公式インスタグラム
https://www.instagram.com/respection2026_2028/

RESPECTion!
公式サイト
https://respection.jp/





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