1990年代以降、世界の写真表現をリードしてきたドイツの写真家 トーマス・ルフ氏の個展「トーマス・ルフ展」が、千代田区北の丸公園3丁目の東京国立近代美術館で開催されています。
会場には、ルフ氏が世界的に注目を集めるきっかけになった縦2.1メートル、横1.65メートルの巨大な〈Porträts(ポートレート)〉シリーズやインターネット上からダウンロードしたJPEG画像などの画素密度を下げ、8×8ピクセルのブロックを浮かび上がらせた〈jpeg〉シリーズ、日本の漫画やアニメから取り込んだ画像に原形が分からなくなるまでデジタル加工を繰り返し、画像から意味や情報を剥ぎ取った〈Substrate(基層)〉シリーズ、日本や米国の報道機関から入手した紙焼写真と画像説明や署名などが書かれたその裏面をスキャンし、1つの画面に統合した最新作〈press++〉シリーズなど、18シリーズ、122作品を展示。1977年から85年まで、ベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻のもとで写真を学び、その後、「ベッヒャー派」として幅広いテーマで作品を発表してきたルフ氏の芸術活動の全貌を紹介する日本で初めての本格的な回顧展となっています。
写真を始めたころは、「日本で大きな展覧会が開けるとは想像もしていなかった」というルフ氏は本展について、「誰が観ても絶対面白いと断言できます」と語っています。11月13日まで。
《Porträt (P. Stadtbäumer)》1988年 210×165cm ©Thomas Ruff/VG Bild-Kunst,Bonn 2016
トーマス・ルフ展
開館時間:10:00~17:00(金曜は20:00まで)
休館日:月曜日(9月19日、10月10日は開館)、9月20日、10月11日
観覧料:一般1600円/大学生1200円/高校生800円/中学生以下 無料
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