ホテルの5階とは思えないほど立派な日本庭園。つい、都心にいることを忘れそう

《水天宮前》都心で日本庭園を眺めつつはじめての茶道体験…ロイヤルパークホテルで秋を楽しむ


 都心のど真ん中で緑あふれる日本庭園を眺めながら茶の心を学ぶ…そんな雅なひとときを過ごしてみませんか。東京・日本橋にあるロイヤルパークホテルが今年の9月から始めた企画「茶道体験」が、女性に人気です。

 講師を務めるのは、江戸千家・大内宗心茶道教室の本山宗晴(そうせい)さん。ホテル5階にある本格的な日本庭園に囲まれた、茶室「耕雲亭」の6畳の広間で約1時間、お茶の点て方はもちろん、茶室の楽しみ方や席での心配りなどを指導します。10月17日に開かれた茶会を取材しました。

 この日は、茶道は初めてという女性3人が参加しました。沈香の落ち着いた香りが漂う室内。窓の外にはホテル開業当初から丹精込めて手入れされた美しい庭が広がります。都心のホテルの5階にいることを忘れてしまうほど静かな雰囲気です。床の間には、紅葉にまつわる掛け軸、サラシナショウマやカラスウリなどの花がさりげなく生けられ、秋を感じさせます。本山さんの解説で、一つ一つに込められた主催者の意図を汲み取ります。

窓からは本格的日本庭園が楽しめます

かわいらしい秋をイメージした干菓子。懐紙に載せていただきます



 月と松茸をイメージしたかわいらしい干菓子と薄茶をいただいた後は、いよいよお茶を点てるのに挑戦。漆塗りの丸卓(まるじょく)という小棚や、金蒔絵や螺鈿細工でキキョウなどがあしらわれたお茶入れなど、本格的な茶道具を使います。本山さんが姿勢や道具の持ち方、動かし方などを一つずつ丁寧に指導。「背筋を伸ばしてください!」。優しくも厳しい指導に、参加者たちは緊張した様子でひとつひとつの動作を確認していました。

本山宗晴さん優しくも厳しい指導で茶を点てます。ひとつの無駄な動きもありません


 群馬県から参加した会社員の宇佐美朋子さん(39)は「茶道は、お茶をいただくだけでなく、目で、耳で、鼻で楽しむんだということがわかり、とても感動的でした。日本文化の良さを感じて、背筋が伸びたような気持ちです」と感動しきり。一緒に参加した友人の鈴木佑梨さん(38)も「とても先生がフレンドリーで楽しかったです。お茶を点てるときには五感を大切にしなければいけないと感じました」と話していました。

 「お抹茶は、家で一人で飲んでもおいしくない。お茶室があり、お客さんがいて、お支度があって、相手のことを考えておもてなしをして、初めて楽しいんです」と本山さん。「堅苦しいイメージをお持ちの方が多い。ちょっとお茶を点ててみて、茶道のおもてなしの心にちょっと触れてほしい」と話しています。

 今年はあと2回ですが、ホテルでは、来年以降も開催を予定しています。茶道に興味はあるけど教室はちょっと…という方にもおすすめの企画です。


 【ロイヤルパークホテルで茶の湯体験】
開催 11月28日、12月19日
時間 11:00/12:00/14:00/15:00
定員 各回15人
参加費2000円(薄茶一服、干菓子付き)
予約 03-5641-3600(9:00~20:00)
https://www.rph.co.jp/



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