ご褒美体験でねぎらう[お疲れさま、2025年のわたし!]


ご褒美体験でねぎらう

 たまには時間とお金をかけて自身をメンテナンスしてあげよう。ねぎらうための方法を、編集部の体験記と一緒にご紹介。セルフケアでは気づけなかった身体の変化にも耳をすませて。


酵素浴

 酵素浴のなかでも、ひと味違う静けさを宿したサロンが学芸大学にある。〈温活メディテーション yui〉は、木の香りと落ち着いた灯りが満ちる、ひっそりとした地下空間。米ぬかとヒノキをブレンドした酵素風呂に身を沈めると、身体の芯からじんわりと温まり、あたたかさがゆっくりと全身へ流れていくようだ。入浴後に心を落ち着かせるための小さなメディテーションルームや、肌に寄り添うオーガニックスキンケアなど、このサロンならではの魅力は尽きない。忙しない日々の緊張をふっと手放し、深い呼吸を取り戻すための、小さな隠れ家のような温活サロンだ。
 

1. カウンセリングで
“今日のわたし”を知る

 まずはカウンセリングから。酵素風呂は、米ぬかやヒノキの配合具合で温度や香りが変わるという。米ぬかを多めにすると発酵熱が高まり、より深く身体が温まる。一方、ヒノキが多いと香りが一層引き立ち、よりリラックスしたい人に人気だそう。その日の体調や気分を手がかりに、“いまの自分”にしっくりくるバランスを探していく。

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入浴前に4種類のスキンケアから好みのものを選ぶ。素材はすべてオーガニックを使用。


2. “発酵”に身をゆだねる

 浴槽に身を預けると、やわらかな熱がじんわりと身体に広がっていく。入浴はおよそ15分。自然の発酵熱が生む70度前後の熱は、体感ではほどよく穏やかで、全身をゆるやかに緩めてくれる。顔には米ぬかにインド原産の植物でスーパーフードとして知られるモリンガを合わせたオリジナルパックを。呼吸を整えるうちに、頭のなかのざわつきが少しずつ遠のき、静かな時間が流れ始める。

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米ぬかは週に一度入れ替え、使い終わったものは提携農家の畑に肥料として還しているそう。


3. 静寂のメディテーションルームへ

 シャワーでぬかを落とすと、肌はすでにしっとりと柔らかい。そのまま向かったのは、ろうそくの灯りが揺れるメディテーションルーム。やさしい光に満ちた空間で、火照った身体をゆっくりと落ち着かせていく。呼吸に意識を寄せながら、身体の隅々に気配が行き渡っていくのをそっと味わう。自分の内側の声を、そっと確かめるひとときだ。

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ヨガのポーズなど自身がリラックスできる体勢を探しながら、ゆっくりと心身を整えていく。


4. 仕上げの一杯に、
身体中がほどけるのを感じて

 着替えを終えると、仕上げに酵素ドリンクがふるまわれる。温まった身体に流し込む一杯は、やさしく染み渡り、そっと余韻をひろげていくようだ。汗をかいたせいか心まで軽い。深呼吸をひとつすると、胸の奥まで澄んでいくような感覚が広がる。一年分の疲れをそっと手放して、明日からまた前へ進む力を取り戻すための時間だ。

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これまでとは対照的に、光が満ちる空間で身支度を整える。肌の変化を見るのも楽しみ。


温活メディテーション yui
住|東京都目黒区鷹番2-20-19 RC学芸大学B1F
営|10:00〜20:00(最終受付19:00)
休|年末年始
料|7800円~
完全予約制
@yui_onkatu_meditation


ヘッドスパ

 日常的な疲れをリセットするべく、外苑前の骨膜ヘッドスパ〈Palm House〉を訪れた。ここでは、独自の圧迫技術を軸に、「Brain Wellness」という考え方のもと、深く息をつけるような時間が流れていく。指先が触れたところにだけ生まれる静かな重み。独自に開発されたマッサージの圧は、痛みとも心地よさとも違う、奥の方で滞っていたものがそっと動き出すような感覚に近い。ひととおり終わる頃には、頭の中のノイズが一枚ずつ剥がれ落ちて、呼吸が自然と深くなる。施術というより、脳を解き放つためのひとときだ。


1. 身体のタイプと状態を
丁寧にチェック

 ソファに腰をおろすと、セラピストが静かな声でカウンセリングを始める。気圧による身体の変化、睡眠の質……。日々の調子が、生活リズムや無意識の緊張と結びついていたことが、一つひとつ明らかになっていく。つづいて、頭皮の可動域や凝りやすい場所を軽く触診。施術に入る前に疲れが蓄積しているポイントを一緒に確かめる。

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エントランスには実際の施術でも使用するエシカルなコスメやオイルがずらり。購入も可能。


2. 香りを選び、ゆっくりと呼吸を整える

 カウンセリングのあと、アロマオイルがトレーに並べられる。その日の気分に寄り添うように、自然とゼラニウムに手が伸びた。手首に一滴落とし、香りを吸い込みながら深呼吸を繰り返す。セラピスト曰く、深呼吸は“施術を受けられる身体”へ切り替えるスイッチ。呼吸が整うことで身体も心もゆるみ、施術がより深く届くのだという。

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一つひとつの香りを確かめながら、気分に合わせてじっくりとアロマオイルを選ぶ。


3. ナノバブルで頭皮をリセット

 いつものシャンプーとはまったく違う——。ここではナノバブルを発生させる「marbb」を使って頭を洗い上げていく。指先で地肌を押し込み、泡を転がすように広げながら、耳の後ろから首の生え際まで丁寧にアプローチする。“素の状態”へとリセットされた頭皮は驚くほど軽く、根元の立ち上がりまで変わったことがすぐにわかる。

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凝り固まった頭皮を丁寧にほぐすように、じっくり地肌へアプローチしていく。


4. 独自技術の圧で深層をゆるめる

 いよいよ頭部アプローチへ。指の腹と親指を使い、カーブに沿ってじわじわと圧を加えていく。例えるなら、頭の奥に張りついた硬い膜をゆっくり剥がしていくような力だ。側頭部、後頭部、首の付け根。どこを押されても、奥のほうにズーンとした重い反応が返ってくる。固まっていた場所ほど最初の一押しが鋭く、そのあとの解放感が大きい。

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「首や頭の深層がゆるむと、顔や目まわりまで楽になるんですよ」との言葉を施術後に実感。


5. 仕上げのハンドケアで全身の
緊張をふわりと解き放つ

 最後にオプションでハンドマッサージを。オイルを使い、指一本一本をほぐし、手首から肘の手前まで流れるように圧を入れていくと、腕全体の温度が上がり、肩甲骨まわりがふっと軽くなる。施術が終わる頃、頭からつま先までラインでつながっていた硬さがすっかり薄れ、呼吸も驚くほど楽になっていた。静かな余韻が体の内側に長く残る、贅沢な仕上げだ。

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普段から酷使してきた指先は想像以上に動きが悪く、手のひらを押されただけで肩まで響く。


Palm House
住|東京都渋谷区神宮前3-42-15 PAL  COURT神宮前101
営|11:00〜22:00(土・日曜、祝日10:00〜22:00)
休|無休
料|1万3700円~
@palmhouse_headspa





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