没後７年たった今も〝キング・オブ・ポップ〟と称され、世界中の多くの人々を魅了するアメリカのエンターテイナー、マイケル・ジャクソン。８月29日はマイケルの58回目の誕生日でした。
　マイケルをリスペクトし、ダンス、音楽、生き方などすべてにおいてマイケルの思いの継承を目指すダンスパフォーマー、Masaki（マサキ）さんが29日、大阪市福島区のABCホールでマイケルのバースデースペシャルライブを行いました。マイケルがこれまで行ったツアーの再現をメーンに、マイケルが踊ることなく残した楽曲「Xscape」（エスケイプ）に今回初めて振りを加えて披露しました。

マイケルの決めポーズを取り入れて踊るMasakiさん

　コンサートでは、バックダンサーとして結成されたダンスチーム「the MJ Crew」とともに、「Bad」や「Beat it」「Thriller」「Billie Jean」など代表的なヒット曲を中心にダンスパフォーマンスを披露。「マイケルをよく知らない方にもその魅力と込められたメッセージに気付いてもらいたいので、有名な曲からセットリストに入れました」と話します。さらに、ステージ上の巨大スクリーンに映し出されたマイケルのシルエットとMasakiさんがダンスバトルをするシーンなど趣向を凝らした仕掛けもありました。
　Masakiさんは、２年ほど前まではマイケルダンスの完全コピーを目指していました。「スーパースターの芸術は壊すことができないし、それがリスペクトすることだ」と考えたからです。しかし、それでは単なる〝物真似〟で終ってしまいます。そこで、マイケルのツアーのSF（ショートフィルム。マイケルはプロモーションビデオをSEと呼んでいました）を研究しているうちに、ライブでは、それぞれの曲のある特定の部分で決めポーズや独特の振りが存在するものの、残り９割くらいはアドリブのダンスで構成されていることに気付きました。マイケルはその時々のグルーヴ感を頼りに即興でパフォーマンスをしていたのです。
　そこで、Masakiさんはマイケルならではのポーズや振りこそがマイケルを表現する上での大切な要素であると考え、それを踏襲しつつ、自分の解釈を入れてダンスをするようになったということです。振り付ける際には、京都を拠点に活動するコレオグラファー（振付師）のHIROさんの指導を仰ぎ、二人三脚で作り上げました。
　特に、今回初のお披露目となった「Xscape」は、マイケルが1983年から99年の間に録音し、完成に近い形で遺されていた未発表曲を最先端の楽曲に仕上げたものに、Masakiさんなりの解釈とHIROさんの振り付けを加えて完成させました。歌詞と制作背景などを考慮しながら「マイケルならこう踊るだろうと想像しながら作りました」と話します。
　「マイケルの亡霊か」。１年前にMasakiさんを初めて見たときは一瞬、我が目を疑いました。ステージに立つとまるでマイケルが憑依したかのように、風貌だけでなく仕草や動きなど至る所にマイケルらしさが感じられたのです。
　Masakiさんは「僕がマイケルから受け取った刺激を、僕を通して多くの人に伝えたい。それが、自分の役割だと思っています」と話します。

マイケルさながらのステージを披露するMasakiさん

　　　　　（写真・文　田中幸美）

《出演情報》９月25日（日）午後２時からマハラジャ大阪（大阪市北区堂山町10－３）で20分のショーケースを行います。また、10月初旬、「日本・イタリア友好150周年記念ジャパンデイ」の一環としてジェノバ市とトリノ市を訪れてパフォーマンスをする予定です。

Masaki　1982年宮崎県生まれ。182センチ。ジャンベ奏者として世界を回った後の2010年、マイケル・ジャクソンのパフォーマンスに目覚める。「マイケルダンス」というカテゴリーを作り上げ、京都を拠点にワークショップなどを通して後世に伝えるほか、さまざまなジャンルとのコラボレーションにも力を入れる。鼓とマイケルダンスのコラボレーションは好評を博し、餃子専門店「ひとくち餃子 点天」のTVCMにも起用された。

公式ホームページは　　http://mdp-masaki.com/

Facebookは　　https://www.facebook.com/mdpmasaki/