“平日15分でいただきます”をかなえるためには、事前の準備も大切です。第2回は、週末にしておくカンタン下ごしらえ術を、料理研究家の小田真規子先生に聞きました。
≪週末のカンタン作り置きとダンドリ術で、平日時短&もう一品がかなう≫
いくら平日の時短調理のためとはいえ、週末に手間がかかり過ぎては本末転倒です。洗ったり、一口大に切ったり、調味料を絡ませておいたり。カンタンだけれどやっておけば平日がグンとラクになる週末作り置きのルールを覚えておきましょう。
◆主菜ルール
5日間のラフなメニューを考え、加熱や味付けをして、冷凍・冷蔵
同じ豚肉の薄切りでも、炒め物にするのか、カレーに入れるのかで下ごしらえの方法が変わります。自分の中で大体のイメージを持ちましょう。
◆野菜ルール
切る・加熱・冷凍-特性に合わせて保存するだけで当日がグンと楽に
キノコは冷凍すると旨みが増し、パプリカは繊維が壊れて味がしみ込みやすくなります。一方、シャキシャキした歯ごたえを楽しみたいレタスなどは、冷凍には向きませんが、洗って大きめにちぎっておくと、取り出すだけですぐ使えて便利です。
◆保存ルール
主菜・野菜とも「保存バッグ」と「フェルトタイプのクッキングペーパー」を活用
「切る・ほぐす」「レンジ加熱」「味付け」、それぞれの食材に合わせた方法で下準備をしたら、保存バッグに入れて冷蔵庫へ。保存バッグは透明なのでパッと中身が見えるうえ、空気をしっかり遮断でき、鮮度を保てます。さらに、各食材の大きさに合わせて整理できるので、冷蔵庫を効率的に使えます。
葉物野菜など萎れやすい食材は、フェルトタイプのクッキングペーパーをぬらして包んでから保存バッグに入れれば、鮮度が保てます。
また、肉や卵などに味をしみ込ませたいときは、食材をクッキングペーパーで包み、調味料を入れて保存バッグに入れておくと、保存時間が調理時間になるのです。さらにペーパーを使うメリットは、しっかり食材に密着するので、少ない調味料でもおいしくシミウマに。さまざまな種類の保存バッグがありますが、冷蔵にも冷凍にも対応できるものを選べば、買ってから2、3日中に使い切れなかった場合など、そのまま冷凍庫に移動できて便利。使い分ける必要もないので、収納スペースもとりません。
こうして、食材をすぐ使える状態にしてストックしておくことが、もう一品プラスの余裕を叶え、野菜不足の悩みも解決してくれます。
▲ 切る・ほぐす
野菜は、切る又は小房に分けて保存バッグに入れて冷蔵。急な予定変更の場合はそのまま冷凍庫へ移動します。
※ブロッコリーや玉ねぎ、レタス、キノコ、ミニトマトなど
● レンジ加熱
イモ類やかぼちゃは一口大にカット。ぬらしたフェルトタイプのクッキングペーパーで包み電子レンジで約5分加熱してから保存。しっとりおいしく、色々な料理に転用しやすい温野菜に。
※じゃがいもやさつまいも、かぼちゃなど
★ 味付け
肉や魚は、調味料と一緒に保存バッグに入れて冷凍・冷蔵を。柔らかくしっとりして味わいやすくなります。
※塊の肉や鶏のもも肉、むね肉、ゆで卵など
≪コンロ・レンジ・冷蔵庫をそれぞれ使った一汁二菜で、効率がグンとアップ≫
献立の基本は一汁三菜といわれますが、バランスを考えたメニューなら、一汁ニ菜で十分です。
調理時間がかかる理由の1つがコンロ不足による加熱待ちのロスタイム。電子レンジを加熱調理器具と考えることで、これを解決します。さらに、火を通さないメニューと組み合わせることで、大幅時短が叶います。
<一汁二菜の構成>
・コンロ2口:主菜調理と汁物・煮物
・電子レンジ:野菜を蒸すなどの副菜調理
・冷 蔵 庫:週末作った蒸し物や茹で物、サラダ、保存バッグで作る和え物など、火を使わず皿に載せるだけのもの
≪平日もぬかりなし!時短調理をかなえる、ダンドリ法則≫
もちろん、平日もボンヤリしているわけにはいきません!ちょっとしたダンドリのコツが“いただきます”までの時間を大きく左右します。
◆帰宅後すぐ調理にとりかかれるよう、自宅に戻る前に「何をどう作るか」をイメトレ
◆使う食材は、調理を始める前に、すべて調理台に並べておく
◆調理の順序は①コンロ②レンジ③冷蔵庫
・時間のかかる汁物や煮物からとりかかる
・炒め物やレンジ加熱の準備
・コンロのころ合いを見て、冷たいものや切るだけのものを準備。
前回も書きましたが、初めからすべてを完璧にしようと考えないで。週末の下ごしらえといっても、ミニトマトのへたをとっておくだけ、きのこを小房に分けて保存バッグに入れるだけ、かぼちゃを週末に半加熱したらじゃがいもは当日調理にするなど、できることから少しずつ習慣づけていきましょう。
次回は、実際のレシピをもとに、具体的に週末60分のカンタン下ごしらえを紹介します。
料理研究家・栄養士。健康に配慮した、作りやすくておいしい料理に定評がある。料理の基本や、つくりおきおかずのレシピの他、ダイエット中でも食べられる本格的なお菓子の提案も人気。