Text=YUHO TANAKA Photography=TARO IKEDA

今月の旬:栗[令和の日本風土記]

グルメ

 季節を問わずさまざまな食材が年間を通して手に入る令和の時代。本来、野菜や果物、魚には旬があり、その季節に食べるからこそ滋養強壮にきくというもの。“旬”を食して、大地の恵みでエネルギーチャージしよう!


今月の旬:栗

 9月中頃から出回り始め、10月に旬のピークを迎える栗。ビタミンCや食物繊維が豊富で、日本では縄文時代から食されてきた。新栗が出回るこの時期は、香りやほくほくした食感が格別。料理でもスイーツでも楽しめる秋の味覚だ。
 

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『元祖・手絞り作りたてモンブランデセル』  1700円

絞りたてでしか味わえない
とっておきの和栗モンブラン

 洋菓子店で定番のモンブランは、栗が旬を迎える今こそ、本当のおいしさを味わえる絶好のタイミング。谷中銀座に店を構える〈和栗や 本店〉は、全国でも珍しい和栗の専門店。有数の産地である茨城県笠間市のいわま地区の自社農園および周辺地域で栽培されている厳選した和栗のみを使用した、和洋バラエティに富んだスイーツが揃っている。

 看板メニューの『元祖・手絞り作りたてモンブランデセル』は一口食べた瞬間、思わず「栗そのものだ」と驚くほど、素材本来の風味と香りが感じられる一皿。提供時期によって、その時に採れる和栗品種でペーストを配合し、「今だけ」のモンブランを楽しむことができる。繊細な味を最高の状態で届けたいという想いから、イートイン限定。添加物や過度な甘みづけを一切せず、口に広がるやさしく上品な甘みが、心の奥まで癒やしてくれる。

和栗や(谷中)本店
住:東京都台東区谷中3-9-14
営:11:00〜17:30(L.O.16:30) ※原料がなくなり次第終了
休:月 ※繁忙期のお休みに関しては別途お知らせをご確認ください
www.waguriya.com


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『秋栗コース(メニューの一部で栗ご飯を提供)』  1万1000円

和食屋が丁寧に仕立てる
滋味深い土鍋栗ご飯

 素材の魅力をそのままに味わうなら、シンプルな栗ご飯はまさにぴったりの料理。創作和食〈南青山 いと家〉の栗ご飯は、家庭料理とはまた違った、繊細な味わいを極めたもの。季節の食材をふんだんに使った土鍋ご飯は、同店の懐石コースの〆(ごはんもの)の定番で、とりわけ秋になると栗の土鍋ご飯が登場し、秋の訪れを知らせてくれる。炊き立ての土鍋の蓋を開ければ、湯気とともにふわりと漂う栗の豊かな香り。

 じっくりと炊かれた艶やかなご飯のうえには、大粒の栗がごろごろと乗っていて、食欲をそそる。おいしさの秘訣は、お米と栗を直前まで別々に調理すること。昆布出汁と塩と水だけで米を炊き上げ、生栗から仕込んだ信州産の栗を最後に蒸しあわせることで、ほくほくとした食感と甘みが際立つのだ。一口、もう一口、とお茶碗によそう手が止まらない。しみじみとしたおいしさは、この時期ならではの楽しみ。

南青山 いと家 
住:東京都港区南青山2-19-1 シティヤマザキ1F
営:12:00〜14:00/18:00〜22:00
休:日 
www.itoya-aoyama.com



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