毎年恒例となっている国内最大級の文化の祭典「国民文化祭」と「全国障害者芸術・文化祭」が、今年は、奈良県で開催されます。
従来は別々に行われていた2つの文化祭ですが、今回は合同で「国文祭・障文祭なら2017」として、シンポジウムや舞台、アート展などのイベントが、9月から11月まで間催されます。一体となって開催されるのは、奈良が初めてとなります。
大会を200日後に控え、このほど、都内で「国文祭・障文祭なら2017」のPRが行われました。
「障害のある人とない人の絆を強く~文化の力で新たな関係をつくる」のテーマのもと、奈良県を中心に活躍する車いすの書家 高岡哲也さんと国内外で注目されている女流書家 紫舟さんによる書の合作を披露。紫舟さんは、奈良への思いを「3年間奈良に住んでいたことがあり、奈良に育てられました。そういう意味で私自身が奈良の作品だと思っています」と語りました。
書は、高岡さんがゆっくりと時間をかけ、人間国宝 岩野市兵衛さんの漉(す)いた紙に、大きく『楽』と書き、「楽しい気持ちを思い切り書くことができました」とコメント。その後、紫舟さんが、『楽』の上下に『聖』と『勝』、左右に『安』、『天』と書き加えました。「上下の文字は、国文祭・障文祭から2020年までをイメージした言葉、左右の言葉は、全ての人が穏やかに暮らせるようにイメージして書きました」。2人の合作は迫力のあるダイナミックな作品に仕上がりました。
この作品は、中央区日本橋室町にある奈良県のアンテナショップ「奈良まほろば館」で、3月14日まで展示されています。
この日は、奈良県のPRマスコット「せんとくん」も登場。奈良のご当地アイドル「Le Siana(ルシャナ)」と渋谷区のPRキャラクター「あいりっすん」と一緒に、渋谷駅のハチ公前でチラシ配りなど宣伝活動を行いました。
奈良県の国民文化祭・障害者芸術文化祭課長 平田千江子さんは「一体開催になり、今までとは違う文化芸術が発信できると考えています。健常者とそうでない人がともにやることがあたりまえのように、一緒に取り組み、一緒に楽しめるようにしたい。オープニングやフィナーレ、各市町村でのイベントなど見どころはたくさんあるので、ぜひ奈良に来てほしい」と語りました。
今年の秋は、いつもとひと味違う奈良を感じに出かけてみませんか。
「国文祭・障文祭なら2017」開催概要
名称:「第32回国民文化祭・なら2017」「第17回全国障害者芸術・文化祭なら大会」(略称「国文祭・障文祭なら2017」)
会期:9月1日(金)~11月30日(木)
開催場所:奈良県の全39市町村
公式WEBサイト https://nara-kokushoubun.jp/