小田急線参宮橋駅から歩いて数十歩という便利な場所にあるイル・ヴィスキオ。中田シェフが愚直なまでにこだわるのは「イタリア風の料理ではなく、イタリアそのもの」を味わってもらうことです。メニューにはイタリアで食べられない料理は載っていません。
そんなイル・ヴィスキオで常に人気を誇っているのがスパゲッティ・カルボナーラ(spaghetti alla carbonara)です。日本ではスーパーの棚にレトルト食品のカルボナーラ風ソースが並ぶほど人気があるスパゲッティ・カルボナーラですが、つくる人や場所によって味が大きく変わる一皿でもあります。
本場イタリアでも、カルボナーラには多くの異なるスタイルがあります。「イタリアではカルボナーラにクリームは使わない」と言う人が日本にはいますが、中田シェフが働いていた北イタリア・トリノのレストランではクリームを使っていたようです。そしてカルボナーラ発祥の地として知られるローマのレストランでは、運が悪いとカルボナーラというよりは炒り卵を混ぜた感じのスパゲッティが出てくることもあるようです。
イル・ヴィスキオのスパゲッティ・カルボナーラに使われている材料は、卵、パルミジャーノ・チーズ、コショウにベーコンを加えただけとなっています。
このシンプルなレシピは中田シェフが長年にわたって鍛えられた銀座にあるラ・ベットラ・ダ・オチアイのオーナーシェフの落合務氏から学んだものです。日本イタリア料理協会の会長を務めている落合シェフが若き日にカルボナーラを最初に学んだのはローマでした。
クリームを使っていない中田シェフのスパゲッティ・カルボナーラは、軽やかな味わいが特徴です。そんな一皿を心地よい空気が流れるイル・ヴィスキオで味わってみてはいかがでしょうか。ちなみに、今年の夏はメニューに載っていない新鮮な桃をつかった冷製のパスタが好評という噂も聞こえてきています…。
白を基調にした洗練された空間©︎Waki Hamatsu
イル ヴィスキオ
渋谷区代々木4-6-5 A&U 1F
03-5309-2366