《今日も恋するARTガイド》『パロディ、二重の声 ―日本の一九七〇年代 前後左右』


恋愛不器用で何かとこじらせがちな女子、「空回りちゃん」。
そんな乙女の恋するハチャメチャ劇場を入り口に、オススメのアートをゆる〜くご案内します。

マネとパロディの違いって?

 憧れの女優の髪型にしたり、インスタグラマーが紹介するカフェに行ったりと、誰かの「マネ」を繰り返す私たち。だけどやっぱりその人自身にはなれないし、かえって違いが際立って悲しくなることも…。パロディ展の作品たちも一見、原作の「マネ」のように見えるけど、じつは本家との「違い」こそがキモ。そこに笑いのネタが仕込まれていたり、皮肉になっていたりと、いろいろな意味が託されているんです。「パクリ」とされる危険もあるグレーな表現方法ゆえ、作品からはユーモアだけでなく、作家の覚悟や気迫も感じられます。元ネタと比べながら、作品に込められたメッセージを、ぜひ推理してみてほしいです。

パロディ、二重の声―日本の一九七〇年代前後左右

会場:東京ステーションギャラリー(千代田区丸の内1-9-1)
会期:4月16日(日)まで
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで/入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日

吉村益信《豚;Pig Lib》1994 年、大分市美術館蔵


illustration&text: 黄身子

某美術雑誌の編集部に勤務しながら、イラストレーターとして活動。Twitterでは自意識過剰と恋愛不適合をゆるコミカライズする漫画「毎日シンドローム」を連載中。

@mososetsunight





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