文・AYANA 写真・中川正子

眠れない日々が 教えてくれたこと(睡眠の話)[連載エッセイ ゆらめくひかり]


 割といつでも眠い。生理前は特にひどい。これは若いころからで、退屈な授業の最中ならまだしも、友人と談笑しているのに、突然あらがえない眠気に襲われるなんてことも。人がワイワイしている場所でもすぐに眠れたし、居眠りで夢を見るのも得意だった。眠気はいつも側にいて、だから「眠れない」と感じることはほとんどない人生をおくってきた。

 ところが40代になって、突然眠れない日々が続いた。一睡もできないわけではない。入眠はこれまで通りスムーズなのだが、夜中のだいたい3時頃に目が覚めて、そこからもう眠ることができない。ここではじめて「眠れないって、こんなにつらいのか」と知った。

 それまで「眠れない」と話す人に対して「それなら起きていればいいんじゃない?」などと思っていた。以前、息子が離乳食を食べてくれず悩んでいた時期に「人間は著しく空腹になればなんでも食べるはず。心配しなくて大丈夫」とアドバイスをもらい、たしかにそうだなと納得したことがある。その感覚に近いかもしれない。限界になれば自然と眠るはずだし、起きてしまうときは活動に振り切ったほうが効率的では?などと考えていた。今、そんなかつての自分を張り倒したい。

 経験してわかったが「眠れない」と「起きている」には雲泥の差がある。前者は覚醒状態とは異なり、起き上がって何かをしようという気にはとてもなれない。なぜなら、眠いからだ。疲れが取れていない、もっと眠りたいと心から望んでいる。しかし脳の一部分がそれを許してくれない、そんな状態なのだ。だから不快感と疲労感がまとわりついたまま朝を迎える。日中の眠さには拍車がかかり、昼寝の時間を取らないと何もできない。しかし夜中にはまた、中途覚醒してしまう。2~3日なら「そんな日もあるよね」で片付いてしまうが、このサイクルが数週間にわたり繰り返されたため、心身ともにまいってしまった。

 不眠にはどうやら更年期も一因となっているようで、睡眠対策に片っ端からいろいろとやってみた。サプリメントを取り入れたり、入浴やストレッチをしたり、日中に運動をしたり、照明や枕を変えたり。しかし、効いたような気がして翌日も続けると今度はうまくいかない…なんてことも多く、どんなときにも盤石な、私にとってのスペシャルな対処法は今のところ見つかっていない。

 睡眠に限らず、更年期に入って「不調がすっきり解決することは、もうないんだな」と思うことが増えた。若いころは疲れていても眠れば回復したし、空腹なら食べればよかった。解決法がさっぱりとしていた。今だって方法がないわけじゃないけれど、絶好調になることは本当に少ない。改善したと思っても、翌日にはそれが通用しなかったりする。

 「歳は取りたくないねぇ」と笑っていた祖母の顔が浮かぶ。当時はわからなかったけれど、歳を重ねるってこういうことなのね。不安定さを受け入れて、いろんな対策に好奇心を持ち、自分自身に起こる変化をせいぜい楽しく観察していきたい。まだまだ人生は長いから。


アヤナ
ビューティライター。化粧品メーカーの企画開発職を経て、35歳でライターとして独立する。培った専門知識にファッションやアート、ウェルネス視点を加えた独自の美容観でビューティを分析し、さまざまなメディアで執筆。近著に『仕事美辞』(2024年双葉社)。「にあう色が知りたい」をPodcast編集者の服部円さんとはじめました!お便りお待ちしています。

@tw0lipswithfang


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30年以上前から女性の健康とともに歩み、研究開発をつづけてきたロート製薬は、女性ならではのからだの変化・不調に向きあう商品や、正しい知識を発信中。「女性ホルモン」と生きるあなたの、からだだけでなくこころにまで、そして、目に見えるものだけでなくカタチのないものにまで寄り添う存在として、“モンモン”を、“ルンルン”にしていくパートナーを目指しています。

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