「ネゲルハル〔黒人の響き〕」1911年(ベルン美術館 アドルフ・ヴェルフリ財団蔵 ©Adolf Wölfli Foundation, Museum of Fine Arts Bern

《東京》アドルフ・ヴェルフリ展 色鉛筆で築いた王国


 楽譜や数字で執拗(しつよう)に埋め尽くされ、その中にうごめく人物や奇怪な形。見る者を惑わせ迷宮の世界へと導く不可思議な絵画。「アール・ブリュットの王」ともいわれるアドルフ・ヴェルフリ(1864~1930年)の日本初の大規模な回顧展が東京都千代田区の東京ステーションギャラリーで開かれている。約30年もの間、孤独な環境の中でひたすら制作を続けて生み出した作品群は見る者を圧倒する。(渋沢和彦)

 ヴェルフリの典型的な特徴を見せる作品に「ネゲルハル(黒人の響き)」がある。音符や文字がびっしりと並び余白はまったくない。そこに現れるのは目の周りが黒く覆われた人物、鳥のような形がパターン化され繰り返し登場する。緻密で幻想的。秩序と調和を保ち、独特の様式美を見せる。製図のような整然とした直線やカーブを描くのに、道具は使っていないという。恐ろしいまでの執念と集中力だ。こうした絵は精神科の病室の中で生み出された。

「クリノリン.ギーガー=リナ.糸つむぎ=リナ.安楽椅子=リナ.おとぎ話=安楽椅子=リナ.大=大=女神」1914年(ベルン美術館 アドルフ・ヴェルフリ財団蔵)


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