ヒエロニムス・ボス工房「トゥヌグダルスの幻視」1490~1500年頃、ラサロ・ガルディアーノ財団 ©Fundacion Lazaro Galdiano

《渋谷》「ベルギー奇想の系譜」 幻想世界に見え隠れする死の影


 国にはそれぞれの美術のイメージがある。イタリアはルネサンス美術、フランスは印象派、アメリカは現代アート…。ではベルギーといえば、何が思い浮かぶのだろうか。その答えとなりそうなのが、東京のBunkamuraザ・ミュージアムで開かれている「ベルギー奇想の系譜」展だ。500年前の中世から現代まで、「奇想」をキーワードに約120点の作品が集められた。

 奇想の元祖といえば、ベルギーがネーデルラント(現在のベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フランス北東部)と呼ばれた時代の15世紀から16世紀に活躍したヒエロニムス・ボスだろう。

 「快楽の園」など怪異な作風で知られるボス。本展にはボス工房作とされる「トゥヌグダルスの幻視」が展示されている。当時流行していた説話を題材に死後の世界が描かれた。中央にいる人の目には目玉はなく、鼻からは金貨が落ちている。その横では人がワインを無理やり飲まされていたり、剣で刺されていたりする。ボスの絵にしばしば現れるラッパの口をした奇妙な怪物も登場。おどろおどろしさはボスに通じるものだ。

フェリシアン・ロップス「舞踏会の死神」1865~75年頃 クレラー=ミュラー美術館、オッテルロー


パナマレンコ「スコッチ・ギャンビット原型」2003年 アン・ド・ミュインク、ベルギー©panamarenko 2017/Photo: Deweer Gallery, Otegem   


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