東南アジア諸国連合(ASEAN)設立50周年を記念し、日本で最大規模の東南アジアの現代美術展「サンシャワー」が東京で開かれている。冷戦下の戦争や内戦など苦難のときを経て、近年は経済成長で著しい変化を遂げている地域だ。個々の作品は社会のダイナミズムやスピード感、多様性だけでなく、矛盾やひずみをあぶり出す。何より、作家らの表現にかける切実さ、熱気に圧倒される。(黒沢綾子)
六本木エリアにある国立新美術館と森美術館の初の共同企画展。ASEAN10カ国、作家86組の計約190点を2館に分けて展示し1980年代から現在までを緩やかに時系列でたどる。
国立新美術館ではまず、植民地支配や独裁政権下で自由と民主化を求めたアーティストらに注目。政治犯として1998年から7年間服役したティン・リン(ミャンマー)は、秘密裏に入手した着色料で、古い囚人服にひたすら絵を描いた。描くといっても筆がないので、身近な日用品に色をのせて布に押しつける版画の手法。表現への執念を感じさせる。
