戦国時代と現代の風俗を合体させた華美で勇ましい絵画を制作する現代美術家、天明屋尚の個展が、東京都新宿区のミヅマアートギャラリーで開かれている。「形質転換(Transformation)」と題し、立体や写真で新しい表現を試みている。
目を引くのは会場に鎮座した鎧兜。ただの武具ではなく、いろいろな部分に細工が施されている。顔面にはヘルメットのバイザーのようなものが付けられている。顔や腕の部分にはLEDの電飾が仕込まれ、ブルーの光が発光する。機械的で不気味。いかめしい昔の鎧兜は、現代の技術と組み合わされ、一気に洗練された近未来のロボットへと変容した。
絵画でもロボットが登場。アクリル絵の具で描かれたのは仏画の明王図をモチーフにした一対。背後は伝統的な炎の模様で装飾し、手足は直線を基調に力強く描出した。