文明の残骸をのみ込む混沌の海から、巨木が立ち上がり満開の花を咲かせている。横4メートル縦3メートルの壮大なスペクタクル。近づくと1ミリにも満たない、途方もなく細緻なペンの線が、濃密な大画面を形成していることがわかる。
アーティスト、池田学(43)の最新にして最大の作品「誕生」。米ウィスコンシン州マディソンにあるチェゼン美術館に招かれ、約3年間かけて昨年11月に完成させた渾身(こんしん)の絵画だ。
「東日本大震災の復興を描いた絵ではないんです。地球上どこにいても起こりうる自然災害と、どう向き合うかが絵の軸となっている。細部までよく見てもらうとわかると思います」。慎重に言葉を選びつつ、池田はこう語る。
