写真を主に扱う美術家 万代洋輔氏による写真集『A Certain Collector B』(6264円)のローンチエキシビションが、渋谷区恵比寿南のアートブックショップPOSTで開催されています。
朽ち果てた物を独自の感性で再構成し、写真に収めた『蓋の穴』シリーズで知られる万代氏。人里離れた森などに不法投棄された物たちを一晩かけて組み上げ、朝の光の中で撮影したこの作品は、その対象物の持つ不穏さや行為の孤独さとは裏腹に、どこかあっけらかんとしたユーモアを漂わせています。
1980年生まれの万代氏による初出版物となる『A Certain Collector B』には、万代氏が近年、取り組んでいる、道端に落ちている物を蒐集し、フラットベッドスキャナーの上で再構成して制作した作品約40点を収録。石や木、時にはクワガタや蝶など生物の死骸をも含むこれらのイメージは、スキャナーの発する光に照らされ、奥行などのスケール感を失う代わりに、3次元コンピューターグラフィックス(3DCG)のモデリング画面のような浮遊感を伴った、新しい物質へと再生しているように見えます。


この写真集は、黒の台紙にプリントが貼られ、裏をめくると「JAN. 30, 2016」などと制作日が手描きされています。カレイドインキで印刷されているため、オレンジや濃いブルーなどがとてもビビッド。何度見ても、新たな発見があります。
架空の蒐集家である〝B〟のアルバムというコンセプトで制作された手作り感あふれる作品集は、極めて感覚的でありながら、同時に自身の行為を俯瞰(ふかん)している万代氏のバランス感覚を体現する一冊となっています。


会場では、収録作品の中からセレクトした7点を展示。一点限りのスペシャルエディションのキーボックスや、シルバニアハウスを使ったアーティストグッズも展示販売されています。
『A Certain Collector B』は、初版300部。関心のある人は、急いでPOSTに足を運び、写真集を手に取ってみてください。

万代洋輔〝A Certain Collector B〟Launch Exhibition
会場:POST(渋谷区恵比寿南2-10-3)
会期:3月5日(日)まで
営業時間:12:00~20:00
月曜定休