東北には、おいしくて、心をほどいて、教えをもらえる宝ものがたくさん眠っている。「食べる」「癒やされる」「学ぶ」の目的別に、東北6県のスポットをピックアップ。まだ知らない景色にきっと出会えるはずだ。
学ぶ
宝もの6選
祭りや手仕事、暮らしのかたち。東北には、時間をかけて育まれてきた文化に、間近で触れられる場所がある。受け継がれてきた知恵に触れて深く学ぼう。
山形県
カヌーを漕いで鏡の森へ
雪どけ水が起こす春の奇跡
《白川湖の水没林》
毎年3月下旬から5月中旬という春のわずかな時期だけ、山形県飯豊町の〈白川湖〉に奇跡のような景色が現れる。周囲の山々から流れこむ雪解け水で湖の水位が上がり、水没したシロヤナギが浮かび上がる神秘的な光景だ。特におすすめのアクティビティーは、カヌーやSUPで水没した木々の間をすり抜ける水上散歩。風がなければ鏡のような湖面に新緑と澄み渡る青空が映りこみ、まるで異世界。早朝は朝もやの中で山から昇る朝日を見られることも。地球の息吹を間近に感じるような、心洗われる春の目覚めを全身で味わえる稀有なスポットだ。
住 | 山形県西置賜郡飯豊町数馬218-1
交 | 車/JR手ノ子駅から約20分

©飯豊町観光協会

天空の舞台で
芭蕉の一句を体感する
《宝珠山 立石寺(山寺)》
「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」。1689年、松尾芭蕉が『おくのほそ道』で残した名句の舞台が、この〈宝珠山 立石寺(りっしゃくじ)〉。通称「山寺」だ。断崖絶壁に堂塔が建ち並ぶ天台宗の古刹にして、東北屈指の霊場でもある。山門から続く1,015段の石段は、一段登るごとに煩悩がなくなると信じられてきた修行の道だ。その先には、断崖にせりだすような五大堂からの大絶景がまっている。とくに紅葉シーズンは赤と緑の色彩が山肌を染めて一枚の絵画のよう。開山堂、納経堂、そして奥の院へ。芭蕉が詠んだ静寂が現代の旅人を迎えてくれる。
住 | 山形県山形市山寺4456-1
交 | 徒歩/JR山寺駅から約5分

©山寺観光協会
福島県
歴史ある“馬のまち”で
乗馬デビュー
《南相馬のホーストレッキング》
千年の歴史を誇る祭「相馬野馬追(そうまのまおい)」の舞台である福島県南相馬市。昔から馬にゆかりのある町で、風を切る爽快感と馬の体温を感じる癒やしのひとときが味わえる。なかでも人気は、〈Horse Value〉による「海トレッキング」。実際の馬追のコースである烏崎(からすざき)海岸を馬で散歩するというもので、専門ガイドのレクチャーのもと、波音を聴きながら馬と目を合わせ、馬のペースに身を任せて、かつての侍と同じ視線で海を眺める1時間は感動的。ほか、馬の背で街を散策する「うまさんぽ」でも温かい地元の魅力を堪能できる。
住 | 福島県南相馬市小高区川房字南石名坂28-1(Horse Value)
交 | 車/JR原ノ町駅から約20分

©一般社団法人Horse Value
青森県
シードルを知り味わう
海辺のマーケット
《A-FACTORY》
青森駅周辺で、“青森ならでは”の大人の知的好奇心を満たせるスポットといえばここ。ウォーターフロントエリアに佇む、六連の三角屋根が目印だ。ここは、りんごのシードル工房と市場を兼ね備えた複合商業施設。1階にはシードル工房があり、2階にある有料のテイスティングバーではシードルの飲み比べができる。マルシェには オリジナル商品のアップルキャラメルバターサンドや、アップルパイ、りんごのジェラートなどご当地ゆかりの商品が並ぶ。青森の食と粋をまるごと味わえるお得なエリアだ。
住 | 青森県青森市柳川1-4-2
交 | 徒歩/JR青森駅から約1分

©A-FACTORY

ねぷたの熱狂を365日
体感できるテーマパーク
《津軽藩ねぷた村》
有名な弘前市ねぷたまつりを見てみたいと思いながらタイミングを逃している人にぴったりなのが〈津軽藩ねぷた村〉。年中無休で祭りの熱狂を味わえる人気の体験型テーマパークだ。高さ10mの巨大なねぷたは大迫力で、熱気に満ちた「ヤーヤドー!」のかけ声や津軽三味線の生演奏、伝統工芸品づくりの音や感触など“見る・聞く・触れる”体験ができる。さらには、津軽焼粘土細工やりんご土鈴(どれい)絵付けの制作体験など、伝統工芸のワークショップも充実。自分だけのお土産を作りながら、職人の技と歴史に触れる時間はまさに旅の醍醐味。
住 | 青森県弘前市亀甲町61
交 | バス/JR弘前駅から約15分

©津軽藩ねぷた村

岩手県
太古の記憶を映し出す
神秘の地下宮殿へ
《龍泉洞》
岩手県岩泉町の山の奧に、地球が何万年もかけて刻んだ世界が広がっていることをご存じだろうか。日本三大鍾乳洞のひとつ〈龍泉洞〉は、洞内に暮らすコウモリごと国の天然記念物だ。今なお調査が続く洞窟内では約700mが観光コース。最大の見どころは、世界屈指の透明度を誇る地底湖。白いライトに照らされて青く輝く “ドラゴンブルー”の水は、宝石を溶かしたような色彩だ。鍾乳石が天井から垂れ下がり、石筍が床から伸びる光景はまさに地底の宮殿。光と影が織りなすドラマチックな空間で、地球の息吹を体感しよう。
住 | 岩手県下閉伊郡岩泉町岩泉字神成1-1
交 | バス/JR盛岡駅から約2時間

©龍泉洞