ヴェネツィア・サンマルコ広場でアペリティーヴォを楽しむカップル

ブラーヴォ!イタリア① イタリアに学ぶワインとのイイ関係

GOURMET, LIFESTYLE

 ワインというと、ちょっとオシャレで背伸びしちゃうイメージがありませんか。素敵なレストランで…、大切な人との記念日に…。ワインのある暮らしってちょっとイメージしづらいですよね。では、世界一のワイン生産量を誇り、「ワイン消費大国」イタリアの人たちはどんなときにどんなワインを楽しむのでしょう? イータリー・アジア・パシフィックでワインをはじめさまざまなイタリア食材の調達を担当している商品本部長であり、〝イタリアワイン通〟の軸屋泰平さんに話を聞きました。

 「イタリア人にとって、ワインは〝生活の一部〟。食卓に欠かせないものなんです。下戸をイタリア語でアステミアと呼びますが、ほとんど見かけない。お酒の飲み方もスマートだし、日常的なものなんです」と軸屋さん。たとえば日本ではまだあまりなじみのない「アペリティーボ」という習慣があります。仕事が終わったあとなどに、仲間たちや友人と軽食をつまみつつワインを楽しむのです。夕方になるとバールには、アペリティーボを楽しむ人々の姿が見られます。ただし、アペリティーボは食事ではなく、あくまで「ちょっと一杯」という感覚のもの。立ち飲みも多く、だいたい30分から1時間ほどで解散して帰宅、今度は家族とワインのある食卓を囲みます。

個性豊かなイタリアワイン


 軸屋さんは「ローマ帝国以降、19世紀に国家統一されるまで長い間侵略の歴史にさらされていたこともあり、イタリアの人たちは家族や地域との結びつきが強い」と話します。日曜日には家族で教会へ行き、お土産のワインを持って両親のもとに集まり食卓を囲む。そんな光景も一般的なんだそうです。マンマの料理と地元で育ったワインのある食卓は、幼いころからなじみのある大切な風景なんですね。

 イタリアの家庭のキッチンにはいつもハウスワインがあります。といっても、1本500円~800円程度の、地元で栽培されたブドウを使ったワインが一般的です。夕食はもちろん、昼食時にもワインを炭酸水や水で割って楽しみます。中には子供にワインを一滴垂らした水を与える家庭もあるとか。普段の食事はもちろん、デザートにもワイン、特別なお祝いの日にもワインが欠かせないのです。

 イタリア人らしい気軽なワインの楽しみ方を教えてもらいました。

 イタリアワインといえば、北部はピエモンテ産の高級ワイン「バローロ」「バルバレスコ」が有名。もともと地元で愛されていた長期熟成型ワインですが、高級になってしまったので、地元の人たちは同じ品種のブドウを使った「ランゲネッビオーロ」を楽しむそうです。また、同じく高級ワインの「アマローネ」。数ヶ月陰干ししたブドウを使ったまったりとした口当たりのワインですが、地元の人は、一度絞ったあとのブドウを使った「ヴァルポリチェッラ・リパッソ」を愛用しているそうです。高級ワインの風味を気軽に楽しめそうですね。

バローロ、バルバレスコとランゲネッビオーロ(左から)

アマローネの風味がちょっと楽しめるヴァルポリチェッラ・リパッソ(右


 デザートにおすすめの組み合わせが、カントッチと「ヴィンサント」。ヴィンサントは、中部のトスカーナ地方の甘口デザートワインで、干しブドウの甘みと香りがおいしい高級ワインですが、カントッチを浸していただくと、アーモンドとワインの香りが重なり、ほんのり甘くほろほろとしたタルトのような贅沢な食感が味わえます。また、高級ワイン「バローロ」にトウモロコシの粉でできた焼菓子メリガを浸して楽しむのもおすすめです。

カントッチとヴィンサント


 女子会におすすめしたいのが、赤のスパークリング「ランブルスコ」。生ハムやラザニア、チーズなどとも相性抜群です。しっかりとしたコクとブドウの酸味もありつつ、炭酸でスッキリと飲みやすいので後味もさわやか。見た目も華やかですよ。

ランブルスコと生ハムチーズ。しっかりとした赤スパークリング


 では、これだけワインに親しんでいるイタリア人が、ここぞというお祝いの席に必ず持参するワインはというと、「フランチャコルタ」です。世界三大スパークリングの1つながら、知名度が今ひとつですが、熟成期間が最低でも18ヶ月、長いもので5年と、シャンパンよりも熟成期間が長く、味には定評があります。価格も3000円台からあり、少々リーズナブル。結婚記念日の夜にパートナーと楽しむにはうってつけのワインだそうです。

ハレの日にはフランチャコルタ!


 〝特別な日のワイン〟でなく、ちょっと身近なワイン。今までと違う組み合わせで試してみませんか。



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