「田中みな実さんが着てくれるとすごく売れるんですよ」。あるアパレルの方との会話です。
フォロワー186万人、先月末惜しまれながらそのインスタアカウントがクローズされると、“みな実ロス”の声が。「最近服が売れるタレントさんが少なくて、彼女がインスタやめたのは残念です」と。写真集が60万部売れて、その人気はとどまるところがありません。小悪魔的な表情には、もちろん男性ファンも多いけど、それ以上に女性からの支持が高いのが彼女の強み。彼女が着こなす服はちょっと甘くて、肩を露出したり、ほどよくエロかわ。グレージュがお似合いです。彼女同様人気の宇垣アナもこの路線。フリーになって、服装も自由度が増して、おしゃれ度がアップしているのがポイントです。
女子アナブームは過去にも何回かありました。かつては女性誌でも女子アナファッションは鉄板ネタ。その当時の女子アナのイメージは「いいお嫁さん候補」でした。実際に野球選手やタレントさんと結婚して、寿退職する人も多くいました。田中みな実さんは33歳。これまでと違うのは、お嫁さん候補然としていないところです。ぶっちゃけ話もできるし、しれっと媚びもするけど、割り切っていてかっこいい。女性から支持されるのは、このあっぱれな開き直り感です。
会社員女子に聞くと、今、男ウケするのはむしろカジュアル系。ノースフェイスとか、白ボアジャケットを着ているくらいがちょうどいい。田中みな実さんの服はむしろ、「万人受けスタイル」なんだとか。「女性って1日でいろんな人に会うじゃないですか。子供がいれば、朝保育園に送りに行って、電車通勤して、会社で仕事して、取引先に行ったり、帰りにはスーパーに寄って、ママ友にばったり会ったりする。だから万人受けする服じゃないとやっていけないんですよ」と。ふむふむ。スーツ一択でOKの男性とは違うわけですね。働く女性の毎日はいろんな属性の人に会うので、無難な服にならざるを得ない。そうなると、万人に愛される女子アナ系の服がちょうどいい、というわけなのだとか。だから女子アナ服≠モテ服。これが圧倒的にこれまでの女子アナブームと違うのです。
この“無難万歳”の空気は今の日本全体の空気のようにも思えます。いろいろな世代に聞いても、一番人気の服のブランドはユニクロです。ファッションで個性を発揮するより、無難が一番。人より目立つ服より、みんなから浮かない服。最近原宿を歩いていても、以前のような激しいゴスロリや派手服の子は減りました。ブランドものを身につけて、ハイファッションを着こなしているなーと思うと大抵中国人です。男子もしかり。先日行ったIT系スタートアップの集まりでは、男子はほぼ黒T、黒スウェット。お前はスティーブ・ジョブズか、または落合陽一かと、つっこみたくなります。
そして、東京オリンピックの開会式のユニフォームも然り。1964年の赤ジャケット、白ボトムが逆になって、白ジャケット、赤ボトム。ううううむ。今21世紀ですよね? 目立つことを避けたいのか、いろんな忖度が見え隠れします。個人の時代と謳われながら、同調圧力に満ちた“無難”勢力。到底ダイバーシティとは思えないこの空気感、ちょっと窮屈だなと思うのは私だけかしらん?
THIS MONTH'S CODE
#インスタアカウントがクローズ
@Minamitanaka_officialは写真集の公式アカウント。今後も続けるかも?という匂わせ発言もあり、コメント欄は4000件超え。さすがです。
#写真集
発売から1ヶ月半で5刷り60万部を突破。カメラマンはファッション誌で有名な伊藤彰紀氏。グラビアっぽくなくおしゃれなところも人気の秘密。
#野球選手やタレントさんと結婚
先日結婚を発表した、フジテレビの三田アナのお相手も一般人。最近は非有名人と結婚するのが女子アナ界のトレンド。