「東京の大学決まったから、いちばん最初に髪をピンクにしたい!」。スマホで合格通知を確認した姪っ子が、パフェを食べながら言いました。2年前のことです。受験からの解放=髪色の自由を手に入れる、なんですね。アプリでヘアサロンをチェックしている彼女を見ながら、今でも髪色の自由の地域格差があるんだな、と思ったのです。
今年1月に18歳でグラミー賞を5部門も取ったビリー・アイリッシュのYouTubeを見ながら感動しました。グリーンとブラックのツートーンヘア。ダボッとしたグッチのジャケット、恐ろしいくらい長いネイル。10代の歌姫ではあっても、ガーリーではない。ジェンダーレスで、暗い。彼女の髪はブルーだったり、蛍光イエローだったり、シルバーだったり、グリーンだったり、色をコロコロと変えます。その一定じゃないところも含めてアイデンティティになっているのです。実際、学校に通わず13歳でサウンドクラウドに「Ocean Eyes」をアップすると、爆発的再生回数で一気に有名になった彼女は、今の時代を象徴するスターです。
昔むかし、田舎では金髪にするだけで不良と呼ばれました。それがファッションに代わり、今はカラコンの色を選ぶように、ヘアカラーを選ぶ時代。
ここ最近売れる俳優、お笑い芸人も髪色でブレイクする人が増えています。横浜流星くん、お笑い芸人のEXIT兼近くんもどピンク髪でブレイク。YouTuberのヒカルくんも、あのツートーンカラーで認知されています。「彼女さんに告白するとき、髪色を変えにきたお客さんがいたんですよ」とは、原宿の有名ヘアサロンOCEAN TOKYO(本店)のスタッフとの会話です。「そしたら、次の日うまく行った!って報告に来てくれて嬉しかったですね」。このヘアサロンは、どんな人もイケメンに変えてくれる、と話題。代表の高木琢也さんのカリスマ性と相まって、今東京で最も予約困難といわれるほど有名なサロンです。ヘアスタイル、ヘアカラーで人生が変わる。あながち大袈裟な話でもありません。
4月、大学に入ったり、新しい仕事を始めたり、YouTuberを目指したり、インフルエンサーになったり、人生の切り替え時期に髪色を変えるのはありなんじゃないかと。本当だったら、就活だって、わざわざ黒髪に揃えなきゃいけない同調圧力も時代遅れって感じですよね(小声)。
今はチューブ1本でさくっとヘアカラーを変えられる時代です。先日ソウルのカロスキルにあるコスメブランド3CEで、韓流アイドルみたいなニュアンスカラーが選べるチューブを見つけました。まるでリップスティックを選ぶみたいに気軽です。
あるヘアカラー会社の調査では、ヘアカラーを変えたい年齢層は圧倒的に10 代、20代なのですが、最近では30代後半の年齢層でも派手色ヘアカラーが人気なのだそうです。私自身は臆病で、同じ髪形で、色も変えなかったけど、おばさんだって残りの人生を考えたら、ここいらでアップデートしておこうかな。それはそんなにハードル高くないし、すぐ色は戻せるしね。などなど、むにゃむにゃ考えております。だって人生はただ一回きりなんですから。今じゃない誰かに変身できて、変わりたい自分の背中を押してくれる。人生を何度もアップデートできるんです。そんなヘアカラーチェンジ、この春してみませんか?
THIS MONTH'S CODE
#ビリー・アイリッシュ
ドラマ「シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。」の主題歌「bad guy」でも有名。この秋来日予定。
#OCEAN TOKYO
カリスマ美容師、高木琢也氏で有名なヘアサロン。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも取り上げられ、話題に。高木氏の著書『這いつくばった奴が生き残る時代 道あけてもらっていーすか?』は名言バシバシ。
#ヘアカラー会社の調査
美容室では派手髪をオーダーする人が昨年から3.6倍なのだそう。今後はやりそうな色は1位シルバー、2位ピンク、3位イエロー。(2020年「ヘンケルジャパン」調べ)