11月19日は男性の幸福や健康に目を向ける「国際男性デー」。産経新聞社では、この日を記念し各分野で活躍するゲストが集ったイベントを開催し、心身の健康、豊かな生き方をテーマにトークセッションを行った。
男性にも更年期障害がある。
知ること、受け入れることの大切さ
第1部は、男性の健康を支えるホルモン「テストステロン」がテーマ。松下一仁先生は「テストステロンは加齢とともに減少し心身の不調の原因となりますが、そのことに気づかず悩んでいる方が多い」と話す。自身も心身の不調に悩まされた鈴木さん、渡辺さんは、「つらさを家族や友人に話すことが一番の薬だった(渡辺さん)」「家族に症状が出たときに寄り添う勇気と優しさが大事(鈴木さん)」と経験を回想した。
ファッション分野で活躍する識者が集まった第2部。「おしゃれは自分らしく生きる秘訣」だと話すジローラモさんに対し、「無関心な人も少なくない。表現の楽しさを知ってほしい」とMBさん。「ファッションは新しいアンチエイジングだ」と伊藤裕先生も評価した。
企業の取り組みを紹介する第3部。福島県警の横山さんは「警察官は男性が9割。心と体のタフさを支えたい」と取り組みの意義を語り、Honda 人事部の岡山さんは「いきいきと働ける職場からイノベーションが生まれてきた」と振り返る。小売店で知られる丸井は、社会課題解決企業としても活動。専属産業医の日比野先生は、更年期対策を「スマートエイジング」と名づけ、賢くハツラツと生きる対策を実践。堀江先生は「テストステロンの分泌を高めることは、組織の士気につながる」と話した。
「がんサバイバー」の宮本さんが登壇した第4部では、「当事者になると死がよぎった」と語る坂井論説副委員長に対し「考えても答えが出ない。自分を大切に日々を楽しむことが大事」と宮本さん。井手先生は、「がん治療は日進月歩で進化している。つらい状況でもポジティブでいることで、治癒力も高まる」と締め括った。
Session 1
テーマは男性更年期障害と関わりの深いホルモン「テストステロン」。順天堂医院泌尿器科医の松下一仁先生を講師に、放送作家として活躍し現在はスタートアップファクトリー代表の鈴木おさむさん、自身の更年期症状を記したエッセイを出版した渡辺満里奈さんをゲストに、産経新聞の篠原那美記者がリアルな体験談を訊いた。

Session 2
慶應義塾大学 名誉教授・抗加齢医学会理事の伊藤裕先生を講師に、タレント、パンツェッタ・ジローラモさん、ファッションYouTuberのMBさん、ジャーナリストの堀 潤さんが登壇し、健康維持に役立つアンチエイジングをファッションの観点で解説。中高年男性がポジティブになれるノウハウを多角的な視点で紹介。

Session 3
企業における男性更年期対策の取り組みを紹介。大手自動車メーカー・Hondaで安全・健康推進を担当する人事部の岡山力さん、丸井グループで産業医を務める日比野 浩之先生、福島県警の保健師、横山智美さん、メンズヘルス医学会理事長・順天堂大学大学院主任教授 の堀江重郎先生が実例を交えて「健康経営」について議論。

Session 4
日本人の三大死因のひとつとされる「がん」。罹患、闘病を経て「がんサバイバー」として活躍をつづける演出家 宮本 亞門さんを招き、泌尿器科医でロボット手術を専門とする順天堂大学特任教授の井手久満先生が、がんとの向き合い方、健やかに年を重ねるためのヒントを探った。進行はがんサバイバーの坂井広志論説副委員長。
