9月5日は「第31回マイナビTGC2020Autumn/Winter」の開催日でした。ご存知のように今回リアルイベントはできず、無観客&LINELIVEで配信となりました。私は今回、ファッションテーマの監修とインタビューブースでの解説を担当。会場はいつものさいたまスーパーアリーナです。TGCはこれまで何度も見に行っていますが、無観客のステージはやっぱり寂しい。会場いっぱいの女の子たちと、あの熱気あってこそのTGCですからね。とはいえ、バックステージはいつもと変わりなく、たくさんのモデルたちとファッション関係者でいっぱい!このコロナ禍でみんなフェイスシールドにマスクと感染予防策もバッチリ。厳重に厳重を重ねておりました。久々に会えるメンバーもいっぱいいて、本当に涙が出ちゃう。ステージ裏の緊張感、そしてランウェイ上のモデルさんからいっぱいのパワーをもらいました。
さて、今回参加ブランドも色々変化がありました。なかでも気になったのが初参加のCOHINAです。このブランドは「150センチ前後の小柄な女性のためのお洋服」です。2年半前にディレクターの田中絢子さんと清水葵さんが立ち上げたブランドで、いま話題のD2Cブランド。インスタとECを中心に販売しているブランドがたった2年半でTGCのステージに登場なんて、世の中の変化の速さを実感しますよね。そしてCOHINAステージに登場していたのは日向坂46の齊藤京子さん。彼女自身も身長155センチとまさに小柄な女子です。
最近、この坂道女子の人気ってすごいですよね。ファッション雑誌の専属モデルになったり、女子ウケがすごい。ファッションだけじゃなく、ヘアスタイルやメイク、仕草まで、この坂道系グループがガールズファッションをリードしているともいえるくらい。かつては170センチ以上の八頭身モデルが主流でした。しかし、いまはリアルで、真似しやすいモデルが人気に。身長が低い子の方がお手本にしやすいので、女子からの支持が集まるのも納得ですよね。アイドルだけじゃなくて、モデルとしても大活躍というわけです。
さて、そんな坂道女子。アイドル色が強く、衣装もミニが多いAKBよりも、リアル10代後半から20代前半の女の子にとって日向坂や欅坂が人気なのは納得です。前髪の分け目やチークの入れ方、アイライン、スカート丈のバランス、どれをとっても真似しやすいんですよね。また、COHINAがこれほど短期間で成長したのも、ニッチだけど、低身長に困ってる子にターゲットを絞ったうまさがあります。二人のディレクター自身が困っていたことを、同じ悩みを持つ女の子と共有できたこと。売れない、といわれているアパレル業界ではありますが、ちゃんと必要としている人には売れるということを証明しました。
最近、渡辺直美ちゃんなどプラスサイズモデルが世界的に脚光を浴びて、ビッグサイズブランドも増えてきました。いままでのアパレルは大量生産と効率主義でサイズ展開が限られていましたが、アフターコロナ時代は、小さい、大きいサイズこそがビジネスチャンスになるのです。日本のワンサイズ信仰も崩れていきそうですね。みんな違うからこそ、みんながハッピーになれる。これこそがインクルージョン時代なんですね。
THIS MONTH'S CODE
#COHINA
サイトには身長別で検索できる機能もあったり、インスタでも着用モデルの身長を記載したりと、困った女子の味方です♥
#D2C
Direct to Consumerの略。実店舗をもたず、ECサイトなどで直接的に顧客へ販売するビジネスモデルのこと。
#日向坂46
日向坂は欅坂のアンダーグループとして生まれ、昨年、「けやき坂46」(ひらがなけやき)から「日向坂46」に改名したことも話題。