東京にはいくつもの「CODE=符号」がある。明日のガールズトークで、ちょっといばれるお話を、あなたに。

《東京#CODE》#それは優しさじゃなくって。


 先日、このコラムで書いた「彼女に包丁つきつけられる男子」の話が、私の周りで盛り上がっています。「彼女に包丁つきつけられる男子」(以下、略して包丁男子)がまた増えているんです。ちょっと間違えれば確実に事件レベルです。そんな悲惨な彼らに共通するのは、どうも彼らには落ち度はいってこと(自己申告なんで、このあたりについては偏りがあるかもですが)。一緒に住んでいた彼女がある日突然メンヘラ化するのです。女子によるDVが始まって、それがきつくて別れを切り出すと、包丁がでてくる、と。
 
 先日もそんな男子の相談に乗っていました。「最初はかわいかったんです。ちょっと気が強いかなーというくらいだったんです。それが、つきあい始めると、俺の携帯の女子の番号を全部消せって。毎日帰りは何時?って聞いてくる。LINEの返事をしないと、100件くらい着信がある。それが半年続いた頃にはさすがにこっちも疲労して、「別れよう」って言ったら、暴れだして、気づいたら包丁もって玄関に立っていたんです」。うきゃーーー! それってホラーじゃん。で、そんな包丁男子を見ていると、共通性が見つかったのです。1、イケメン。2、いい家庭で育っている。3、優しい。イケメンゆえに、女に困っていない。中高時代からモテているので、女性から告白されることに慣れている。加えて子供時代から優しい家庭にすくすくと育っているので、挫折なしで生きている。物事をひねてみたりしないので、人を簡単に信じやすい。それゆえに、誰に対しても優しいのです。むしろ優しすぎる。
 
 女子に理想の男子を聞くと、たいてい「優しい人がいい」と言います。これはここ数十年変わりません。そりゃ、優しい人がいいに決まっている。DV男とか、オレ様なんてもってのほか。しかも、かっこいい人がいいに決まっています。その影響は男子にも及びます。子供の頃から優しくないといけないというママからの刷り込みがされている男子が多いように思うのです。優しい=女子の言うことを聞く。「女子のわがままだってオレ、優しく受け入れるよ」、的に。それが実は女子のわがままスイッチを押してしまうのです。優しさが過剰で、彼女をのさばらせてしまう。また、なまじイケメンだから彼女としても、他の女に取られたくない。それが包丁沙汰にもつながっているようです。包丁女子も写真を見るとかなり可愛いのです。周囲からかなりちやほやされているのでしょう。加えて、仕事をやめて専業主婦になりたい願望も強い傾向があります。それゆえに彼氏との結婚に執着して、結果、彼氏を縛りたくなる。この連鎖が、難しい関係をつくってしまうようにも思えます。

 そんな優しすぎる男子への忠告です。女子は理由があれば時々怒ってもらった方がいいのです。優しすぎは、深い関係を築く際にはときに逆効果になります。やはりお互いに対等でいられること。それはお互い突っ込み合えるような関係であることが大切なんじゃないかなー、って。甘やかしは優しさじゃありません。「ペットじゃなくて、相棒なんだから。ちゃんとお互いを尊敬出来る関係がいいんじゃない?」って。みなさんもこうならないために、お互いに頼りすぎない関係を目指しましょうね。過剰な優しさはときには毒になる、今回はそんなお話でした。


ぐんじ さゆみ
『ViVi』『GLAMOROUS』を経て、コンデナスト入社後『GQ JAPAN』編集長代理を務めた後、『VOGUEgirl』を創刊。2014年7月より『Numéro TOKYO』に参加。gumi-gumi主宰

THIS MONTH'S CODE


#このコラムで書いた

4月号で書いた「やどかりちゃんは敵か味方か?」。ここに登場した男子はそのときのトラウマでまだ彼女なし。

#メンヘラ化

<メンヘラ女の見極め方>
1、LINEの返事が早すぎる
2、スケジュールを把握したがる
3、キャラクターグッズを大量に持っている
4、「私のこと好き?」とやたら聞いてくる
5、女友達が少ない
6、自撮りが異常にうまい





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