illustration: Yurina Sato

春ははかなく #バレエコアで《東京#CODE》


 まだちょっと寒いころから春物の服を探すのは、もう性としか言いようがありません。表参道あたりをぶらぶらとショッピングして、今年の新作チェック。最近大好きな《プランク プロジェクト》の青山店に行くと、 シースルー系やレース系のアイテムがいっぱいです。いや、まだ肌寒いんだけど、と思いながらルックブックを見る楽しみ。

 そして、今年気になっているのが“バレエコア”というスタイルです。バレエコア、最近の流行を「〇〇コア」というのですが、この“コア”とは、ファッション界隈の「〇〇系」みたいなニュアンス。かつてのノームコアとかね。昨年あたりから火がついて、この春も人気なのが“バレエコア”です。

 たとえばK-POPシーンでは、BLACKPINKのジェニーやロゼを筆頭に流行っている、はかなくてガーリーで、まるでバレエダンサーのようなスタイル。メインアイテムはオフショルダーのトップス、ヒラっとしたスーパーミニスカ、オーガンジーやレースを使ったシースルートップス、フリルのアクセントなど。足元はもちろんバレエシューズ系で、レッグウォーマー風のハイソックスを合わせて。ポイントは舞台上の本気バレエではなく、練習着のような軽やかさです。色味も、ベージュやモーブピンク系のレイヤードに黒を差していたり、
ディテールにはリボンをたっぷりと。華奢で甘いけど、そこはバレエのストイックな部分もあり、はかなげ&かわいさ炸裂。

 メイクももちろんバレエダンサー風に。素肌を生かしたベースに、うっすらとピンク系のチークを。リップもやわらかくふっくらと、ナチュラルに仕上げるのがポイント。ちゅるんとグロッシーにするのもアリ。ゆるく崩した三つ編みのヘアスタイルに、リボンやカチューシャも復活です。

 1月に発表された《ディオール》の2024-25‌ SSメンズコレクションでフォーカスされたのは、伝説のバレエダンサー、ルドルフ・ヌレエフでした。バレエシューズやターバンなど、 メンズのファッションにもバレエブーム、きています。バレエに挑戦する老人と青年を描き、 Netflixでもドラマ化された「ナビレラ」に感動した人も多いのではないでしょうか?

 一方、ガチにスポーツミックスした“ブロークコア”スタイルも継続しています。足元にはボリュームあるスニーカー。こうしてファッションの振り幅が広がり、流行が生まれます。

 どちらにしても、今年のスタイルのポイントは“ボディ”です。ずっと続いていたビッグシルエットから一転、華奢で細身なボディへの回帰現象。まるでコロナ期間に家トレで鍛えた体をお披露目するかのようです。ここ数年、ランウエイにあふれたプラスサイズモデルもあまり見かけなくなりました。この痩せ型モデル回帰に警鐘を鳴らす人もいます。アイドルたちの細すぎるスタイルに憧れすぎるのは危険。そこはリアルな自分のスタイルに自信を持って。アスリートにも通じるバレエダンサーのように、健康的にいきたいところです。

 バレエコアの楽しさは、子供のころに憧れたバレエダンサーの気分を、大人になって味わえること。レイヤードなどをうまく生かしたり、小物あたりから取り入れたりして、ダンサー気分を楽しみましょう!

THIS MONTH'S CODE

#《プランク プロジェクト》

「メゾン スペシャル」から2023年春コレクションでデビューしたブランド。“MIX  MATCH ELEGANCE” をキーワードに、大人が着こなせるモード系ブランドとして人気。

#ルドルフ・ヌレエフ

歴史上最も偉大とも評されるバレエダンサー。没後30年にあたる昨年、映画『ヌレエフ:伝説と遺産』が日本でも公開された。

#ブロークコア

BLOKE CORE。サッカーのユニフォームやトラックジャケットを取り入れるなど、スポーツアイテムをミックスするスタイルのこと。





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