「DEPARDON/TOKYO 1964-2016」の展示風景

《銀座》仏写真家が切り取った2020年東京五輪前の「甘美なリアリティ」


 世界最高の写真家集団といわれるマグナム・フォトに所属する、フランスの写真家・映画監督 レイモン・ドゥパルドン氏による日本初の個展「DEPARDON/TOKYO 1964-2016」が10月1日まで、中央区銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催されています。

 ドゥパルドン氏は、苛烈なチャド内戦のルポルタージュをはじめ、報道分野において数多くの重要な仕事を成し遂げてきました。その一方で、世界各地の美しい風景や人々の飾らない姿をとらえた作品においても高い人気を誇り、9月には彼の人生を捉えたドキュメンタリー映画『旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランス』が劇場公開されます。

 今回、展示されるのは、ドゥパルドン氏が撮影した“東京”の風景です。

 ドゥパルドン氏が初めて来日したのは1964年。先の東京オリンピックの取材のため訪れました。当時22歳でまだ駆け出しだったドゥパルドン氏でしたが、彼の撮影した2000点以上のモノクロ写真群には、後の報道写真家としての大成を感じさせる独自の鋭い観察眼や優れた画面の構成力がいかんなく発揮されています。

1964年に撮影された東京での一幕 ©Raymond Depardon / Dalmas-Sipa Press J.O. Tokyo 1964


1964年に撮影された東京オリンピックでの一幕 ©Raymond Depardon / Dalmas-Sipa Press J.O. Tokyo 1964


 さらに2016年、ドゥパルドン氏は東京2020オリンピック・パラリンピックを控えたこの街を、今度は“カラー”で撮影。フランス人哲学者 クレマン・ロッセが “The Sweetness of Reality (甘美なリアリティ)”と表現したドゥパルドン氏のカラー作品には、メロウかつ豊かな色彩の美が際立っています。

2016年に撮影された東京の夜の一幕© Raymond Depardon / Magnum Photos Tokyo 2016


 本展では、過去のモノクロ作品と撮り下ろしのカラー作品が同時に公開されています有な写真家の目を通して撮られたこれらの作品は、日常に溶け込み、普段は気付かれずに過ぎていく東京の本当の姿を教えてくれることでしょう。   

 世界中で尊敬を集める芸術家が切り取った「東京」に、触れてみてはいかがでしょうか。


DEPARDON/TOKYO 1964-2016

会場:シャネル・ネクサス・ホール(中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4階)

開催期間:10月1日(日)まで

営業時間:12:00~20:00

無休

入場無料

http://chanelnexushall.jp/





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