第1回目「トラハブ」イベント 「令和の職場のモヤモヤってなんだろう? −性別や世代を超えて“対話”を促す『DEI体験プログラム』−」 開催レポート

Fem Care Project

産経新聞社が取り組む「Fem Care Project」は、Ridgelinez株式会社(以下、リッジラインズ)と共同で、誰もが輝き力を発揮することのできる社会の実現を目指すDEI体感プログラム「トラハブ」を立ち上げた。正式名称は「DEI Transformation HUB」。多様な参加者同士の対話を通じてDEIの体現者を増やすことで、個人から組織へのトランスフォーメーション(変革)を促すことと同時に、同じ思いを持つ人同士をつなげる「ハブ」(中核)になりたいという願いを込め、スタートした。

8月23日には、そのキックオフイベントを、リッジラインズの丸の内オフィスにて開催。当日はビジネスパーソンや学生など約30名が参加し大盛況となった。「DEIとは何か」を対話を通じて自分事化していく「トラハブ」とはどのようなものなのか、レポートする。
※DEI(D&I)とは
Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字をとった略称。性別や年齢、国籍などに加え、文化や価値観などが異なる多様な人々が互いに尊重しあい、一人ひとりに合った環境を整え、誰もが公平に能力を十分に発揮できる社会を目指すこと。


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左から、モデレーターの産経新聞社文化部記者・篠原那美さん、ゲストの桝田草一さん、佐々木美恵さん、川嶋孝宣さん。それぞれのモヤモヤをざっくばらんに語り合った。

イベントのオープニングでは、「DEI」に関する基本知識や、モヤモヤを解決する鍵となる「Equity(公平性)」「心理的安全性」「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)」の考え方が紹介された。
続くゲストトークでは、異なる業界で活躍する3人のゲスト、桝田草一さん(SmartHRアクセシビリティスペシャリスト)、佐々木美恵さん(産経新聞社メディアビジネス局長)、川嶋孝宣さん(リッジラインズ執行役員Partner)のトークセッションからスタート。職場で抱えるそれぞれのモヤモヤが披露された。障害を持つ同僚に対する接し方への迷い、年齢差別(エイジズム)への気づき、過去を振り返り、もっと性差のない社会づくりに貢献できたのではないかという後悔など、三者三様の想いが語られた。   

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イベントの様子をリアルタイムで記録したグラフィックレコーディング。
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思い切って自己開示することで対話が深まり、それぞれの置かれた状況や感じ方も多様であることを知る機会となった。

グループワークでは、参加者が3人でグループをつくり、職場で感じているモヤモヤや違和感について共有しあった。普段はなかなか話す機会がない業界も年齢も異なる人たちとの交流によって、「職種や年齢が違っても、同じことを感じている人もいるんだ」「そんなモヤモヤもあるんだ」などと共感や気づきが得られたよう。モヤモヤは付箋に書き出して見える化し、その中からみんなに伝えたい内容を1〜3枚選んで壇上の共有ボードに貼り出して発表した。

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壇上に貼り出されたモヤモヤの内容から、運営メンバーが気になるものをピックアップしてコメント。書いた本人が内容について解説する場面も。

壇上に貼り出されたモヤモヤにはジェンダーギャップや年齢に基づいた偏見や固定概念に関するものが多く見受けられた。その中から運営メンバーは「1、2歳違うだけで全くわからないこともある」という内容のモヤモヤをピックアップし、「年が近いからといって価値観が同じとは限らないんですよね」と共感。ほかにも、「新たな言葉や概念を作ることでコミュニケーションが難しくなる」というモヤモヤを出したグループからは、「たとえば、(年齢差のある人に対して)もともと年齢に関係なく自由に対話できていたのに、『エイジズム』という言葉を知ったことで、逆に年齢差を意識して話しにくくなってしまう」といった具体的な意見があった。「モヤモヤを出そうという文化にモヤモヤ」という内容を発表したグループからは、「何をどこまでいうべきか、いわないほうがいいのかに悩む」という、普段からモヤモヤを共有する機会が少ないからこそ出てきたリアルな意見もあった。

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イベントの最後は、「今後も、主催者・参加者という枠を取り払って、仲間としてみんな一緒に考え続けていく場にしていきましょう!」と運営メンバーによる呼びかけで締めくくられた。

クロージング後の交流会は、今回ドリンクスポンサーとして参加した「イヨシコーラ」で乾杯し、お酒の飲めない人でも楽しめる飲ミュニケーションで、参加者同士の熱い”対話”が広がった。

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会場には、イヨシコーラのコーラ小林さんも駆け付けてくれた。

参加者からは「共感することばかり。色々な人とお話しできてよかった」「悩んでいるのは自分だけではないと知った」などの感想も。自己開示や違和感の共有が、いかにセルフケアや人と交流を深めるのに役立つかをうかがえる、さわやかな雰囲気の会となった。次回は「カルチャー」の視点からモヤモヤや違和感の背景を深掘りする予定。詳細はトラハブの特設サイトをチェックしてみよう!

■トラハブ・プチ開催決定!!
10月2日(水)19:00から、キックオフイベントに参加できなかった方を中心に、フォローアップイベントを開催します!イベントの振り返りを通して、トラハブ第2回からの参加につなげましょう!
イベントの申込・詳細はこちらから↓↓
https://metropolitana.tokyo/ja/archive/fcp_torahub_event_02

■トラハブ第2回のご案内
11月11日(月)に、トラハブ第2回を開催いたします。第2回では、キックオフイベントで可視化されたモヤモヤが発生する原因や背景について、「組織の文化醸成(カルチャー)」の視点で解明していきます。イベント申込・詳細ページは後日オープンするので、メトロポリターナをチェック!


「トラハブ」とは?
日々、社会や組織の中で感じている心の中のモヤモヤを他者と共有し、その背景にある原因を対話によって解明しようとする試み。フェムケアプロジェクトとリッジラインズが、性別や世代を超えた相互理解を推進するために立ち上げた。

Fem Care Projectとは

フェムテックやフェムケアなどの最新情報や、イベントの実施など、女性のココロとカラダのケアを考えよりよい未来につなげる、産経新聞社の媒体横断型プロジェクト。2021年10月に始動。家庭や職場、学校などあらゆる場面で、誰もが当事者として、互いに語り合い、理解し合い、寄り添うことのできる社会の実現を目指し、意識と行動を促す情報を発信していきます。

https://www.sankei.com/special/femcareproject/

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《Ridgelinez株式会社について》
Ridgelinezは戦略から実行までを支援する総合プロフェッショナルファームです。ストラテジー、デザイン、テクノロジーをクリエイティブに融合させ、クライアントの経営課題解決に伴走します。金融、製造、通信、運輸、リテールなど多岐にわたる業界で、デジタルテクノロジーを通じて変革を加速し、End to Endのコンサルティングサービスを提供します。Ridgelinezは変革の中核となる「人」を起点にした独自の先見力によって、チェンジリーダーとともに持続的な未来を創造するパートナーとして社会に貢献します。
https://www.ridgelinez.com/



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