「フェムテック認定資格2級」受験体験記|女性のカラダとココロを知る学びとその先に見えたもの


近年、 「フェムテック」という言葉や概念に代表されるように、女性のココロやカラダと向き合い、その仕組みを正しく知り、テクノロジーや知識の力で寄り添おうとする動きが社会全体で広がっている。
その知識を測る一つの手段として、一般社団法人日本フェムテック協会が実施する「フェムテック認定資格」という資格試験がある。女性特有の健康課題や、ライフステージに応じた知識を体系的に学べるもので、 個人の生活のみならず、職場や社会全体で女性の健康を支える力を養うことを目的としている。3級から1級まであり、3級は無料。WEB上で15問の選択式の設問に回答するだけなので、誰でも気軽にクイズ感覚でトライできる。

本記事では、フェムテック認定資格2級にチャレンジした筆者の体験をもとに、フェムテック認定資格とはどんな資格なのか、受験のきっかけから学びの過程、試験当日の様子、そして受けてみて気づいた「女性の健康を学ぶ意味」について、綴っていきたい。


フェムテック認定資格2級受験のきっかけと背景


私が「フェムテック認定資格」という存在を知ったのは、職場で進めていた一つのプロジェクトがきっかけだった。産経新聞社は当誌、フリーマガジン『メトロポリターナ』を中心に、「Fem Care Project」という取り組みを推進している。その活動の一環として、フェムテック認定資格を受験した企業を表彰する制度、フェムテックアンバサダーカンパニーに会社として挑戦した。そのなかでも、私は3級を以前取得していたため、会社から声をかけていただき、2級を受験する運びになった。


フェムテック認定資格の受験による学びと試験体験のリアル


フェムテック認定資格2級は、主にオンラインの録画講座を視聴する形の学習となる。全体でおよそ4時間ほどの講義を受け、その後は講座内で使われたスライド資料を1時間ほどかけて繰り返し見直した。特に印象的だったのは、女性ホルモンの急激な変動と、それに伴う様々な症状や疾患との関係だ。例えば、女性ホルモンの分泌が急激に変化する更年期には、骨盤底筋の緩みによって、「尿もれ」などのトラブルが起こりやすくなることを学んだ。また、妊娠や出産に関連する疾患やリスクには、週数ごとに大きな違いがあることや、分娩予定日を決定する方法として最終月経日や胎児の大きさ、胚移植日など複数の基準があることも知った。これまで漠然としか知らなかった体のメカニズムを具体的に理解できたと感じている。
実のところ、私は普段、「Fem Care Project」の仕事を通して、女性のココロやカラダに関する企画に携わっており、周囲の人よりは知識がある方だという自負もあった。しかしながら、覚えなければならない専門用語や病名が多く、さすがに内容は3級に比べて格段に専門的で、正直大変だった。試験もオンライン形式で行われた。出題内容は、講義をしっかりと覚えていれば解答できる印象だったが、緊張感もあり、解き終えた瞬間には大きな安堵のため息が漏れた。


フェムテック認定資格を通して得た気づきと伝えたいこと

2級を受けてみて感じたのは、知識そのものが、自分の心身を守ることにつながるのだという実感だった。特に「母性健康管理事項連絡カード」という制度の存在はを初めて知った。妊娠中や出産後、医師の指導をもとに、職場における業務の軽減や配置転換が可能になるという仕組みを学べたのは大きな収穫だった。このような知識があれば、働く女性が自分の健康状態をきちんと共有できるだけでなく、周囲の理解を得るための大きな武器になると思う。
さらに、講座の中で知った「幸福度の高い従業員は、創造性が300%、生産性が131%、売上が137%向上する」というデータも非常に印象的だった。健康やウェルビーイングは個人の問題にとどまらず、企業にとっても重要な経営課題であり、働く女性を支える仕組みが企業の成長にも直結するという視点に、深い共感を覚えた。実際、今回学んだ内容は、私自身の業務にも生かされている。女性の健康課題をテーマに企画を立てる際、単なる感覚ではなく、具体的なデータや知識を根拠として提案できるようになった点は、大きな自信にもつながった。
フェムテック認定資格2級は、単に資格取得という枠を超えて、自分の体や周囲の女性たちの健康に対する理解を深める貴重な機会だと感じた。女性の身体の仕組みについて詳しくない人はもちろん、フェムテックやフェムケアの分野に携わる人、また人事やマネジメントなど職場環境の整備に関わる立場の人には、ぜひ取得をおすすめしたい。学びは、自分の身を守る力になる。そしてその知識が、いずれ社会全体の安心や働きやすさを生むのだと、今回の経験を通じて強く感じている。

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