photo: Naoki Muramatsu text: Shion Yamashita edit: Kohei Nishihara(EATer)

『ガリレオ』シリーズ最高傑作!沈黙のパレード


 2007年に東野圭吾の小説を原作に大ヒットした連続ドラマ『ガリレオ』シリーズ。そしてシリーズ最高傑作の呼び声高い、映画『沈黙のパレード』がいよいよ公開!主要キャスト3人に話を聞いた。


〝変わらない魅力〟が9年ぶりに帰ってきた

 「実に面白い」。福山雅治が演じる湯川 学の爽快なこの口癖を耳にするのは、なんと9年ぶり。2018年に刊行された東野圭吾の『沈黙のパレード』を原作に、ガリレオシリーズの映画版がスクリーンでまもなく公開される。

 本作では、柴咲コウ演じる湯川のバディ的な存在である刑事・内海 薫、そして北村一輝演じる刑事・草薙俊平も再集結した。湯川は准教授から教授になったものの、見た目も含めてその印象は驚くほど“不変”。福山は、どのような気持ちで撮影に臨んだのだろうか。

 「湯川 学の表現は、原作からイメージしたキャラクターをドラマ化する際に“超が付くほどの天才とはどういう人物なのか”ということを西谷監督たちとともに事前にリハーサルをしながら作り上げていきました。目線の動かし方や首の振り方などのフィジカルな面からキャラクターを動かしていった。たとえば、決定的な証拠に気づいたときの目つきは、刑事ではなく物理学者としての目つきであるべきだし、その表現を気持ちだけではなく肉体の動かし方で表現しなくてはならない。久しぶりに湯川を演じましたが、その感覚は体に残っていました。もちろん細かく見れば変わっている部分もあると思いますが、例えば、ポルシェの旧型と新型も見た目の違いがあっても、どちらも一目瞭然にポルシェだとわかる。そういう感覚です」。

言葉はなくとも、察し理解し合う3人

 新人だった内海 薫もベテラン刑事の風格を見せている。柴咲は久しぶりのシリーズ参加についてこう語る。

 「福山さんと北村さんは、映画の前にスペシャルドラマの撮影をしていましたが、映画から参加する私は、薫になるために、少し時間が必要だと思っていました。私の最初の撮影は、ファミレスで湯川先生と話をするシーンだったのですが、湯川先生を目の前にすると、自然と薫になれました。そしてなにより、監督が薫という人物像をを見定めてくれているので安心でしたね」

 そのシーンの撮影では、2人の再会に西谷監督も涙したという。福山も、このファミレスのシーンで内海と対峙して感じたことがあるという。

 「湯川さんは、内海の久しぶりの相談で、草薙にただならぬことが起こっていることが最初から分かっている。でも、すんなりとは協力しようと言いません。そんな湯川の“いつもの感じ”が印象深かったですね。薫と草薙の3人で、トリックの現場検証をするシーンも楽しかったです。実験をしてトリックを明かしていく場面は、ガリレオならではだと思います。あと、シリーズ史上、最も追い詰められた草薙を見られたのも印象的ですね。どんなに親友であっても、彼に“大丈夫か?”とは聞かないのも湯川さんらしいなと思いました」

 本作で描かれる、草薙刑事の苦悩。それは、かつて担当した事件のトラウマに端を発するものであり、本作の見どころの一つとなっている。北村は草薙の苦悩を演じる上で、どのようなことを意識していたのだろうか?

 「監督の指示を信頼していますので、余計なことを考えずに自分の演技に集中することができました。どうしても撮影の順序がバラバラになるため、草薙の精神状態の変化をちゃんと捉えるために、 監督とはたくさん話をしました。映画化するにあたり原作から削らざるをえなかった部分も感じとってもらえるような演技になっていればと思います」

 2007年のシリーズ開始から15年。彼らが、時を重ねてつくり上げてきた珠玉の人間ドラマの幕が上がる。

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成長した薫に、苦悩する草薙、そして変わらぬ湯川の姿。ガリレオシリーズの最高傑作が、ついに誕生した!


湯川、内海、草薙が9年ぶりに集結!

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湯川学役
福山雅治

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内海薫役
柴咲コウ

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草薙俊平役
北村一輝


映画『沈黙のパレード』は9月16日(金)全国公開!

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出演:福山雅治/柴咲コウ/北村一輝/飯尾和樹/戸田菜穂/田口浩正/酒向芳/岡山天音/川床明日香/出口夏希/村上淳/吉田羊/檀れい/椎名桔平
原作:東野圭吾「沈黙のパレード」(文春文庫刊) 
脚本:福田靖 監督:西谷弘
音楽:菅野祐悟 福山雅治 
主題歌:KOH+「ヒトツボシ」(アミューズ/ユニバーサルJ)
 

Story
天才物理学者・湯川学(福山雅治)の元に、 警視庁捜査一課の刑事・内海薫(柴咲コウ)が相談に訪れる。 行方不明になっていた女子学生が、数年後に遺体となって発見された。内海によると容疑者は、 湯川の親友でもある先輩刑事・草薙俊平(北村一輝)がかつて担当した 少女殺害事件で、 完全黙秘をつらぬき、無罪となった男・蓮沼寛一。 蓮沼は今回も同様に完全黙秘を遂行し、証拠不十分で釈放され、 女子学生の住んでいた町に戻って来た。 町全体を覆う憎悪の空気…。そして、夏祭りのパレード当日、事件が起こる。 蓮沼が殺された。 犯人は誰か。 女子学生を愛していた、家族、仲間、恋人… 全員に動機があると同時に、全員にアリバイがあった。 そして、全員が沈黙する。 湯川、内海、草薙にまたもふりかかる、超難問…! 果たして、湯川は≪沈黙≫に隠された≪真実≫を解き明かせるのか…⁉





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