何の取り柄もないが、演劇にだけ天才的な能力と感を発揮する少女、北島マヤと演劇界のサラブレットである姫川亜弓が、幻の名作「紅天女」の主役の座を巡って競い合う漫画「ガラスの仮面」は、1976年に連載がスタートし、未だ完結していない人気漫画です。昨年、連載が40周年を迎え、また今年は作者、美内すずえさんのデビュー50周年にもあたるため、これらを記念した展覧会が現在、銀座松屋で開催されています。
本展では、「ガラスの仮面」のカラー原画やモノクロ原稿、掲載誌、舞台の資料など約400点を展示。入り口には、貧しい家に生まれ勉強も運動もできず、何の取り柄もなかった少女 マヤが、演劇に異常なまでの情熱を燃やし女優をめざす導入部分の原画や、ストーリーに登場する劇のポスター、映像などを見ることができ、いっきに「ガラスの仮面」の世界へ引き込まれます。


中に進むと、伝説の女優であり、マヤの師匠でもある月影千草やライバルの姫川亜弓なども登場。「たけくらべ」や「嵐が丘」など作品初期の頃のシーンも、モノクロ原稿で紹介されています。

さらに、バラのデザインの華やかなコーナーでは、マヤを陰から支えた速水真澄をクローズアップした名場面の原画、原稿が飾られています。

また、会場では、「ガラスの仮面」が舞台化やドラマ化された際の衣装や台本も見ることができます。

オープニングセレモニーで、作者の美内さんは「40年は長いと言われますが、私の中では40年という重みがあまりないので、ここまでやり続けていられるのです」と挨拶。そして、ファンにとって何より気になる、いったいラストの巻が出版されるのかということについて「皆様にラストは出るのかと心配されますが大丈夫です。ラストの構図はもう20年以上前から決まっています。でも、その前に、紅天女を目指す道をもっと充実させて書きたいのです」と笑顔で語っていました。
期間中オープンしているカフェコーナー「喫茶月影」で、『登場人物風スイーツ』を食べながら、今後の展開を予想してみてはいかがでしょうか。

連載40周年記念 ガラスの仮面展
会場:松屋銀座8階イベントスクエア(中央区銀座3-6-1)
会期:9月4日(月)まで
開館時間:午前10時~午後8時(最終日は午後5時閉場)
入場料:一般1000円/高校生700円/中学生500円/小学生300円