(左)『森繁の重役読本』 『ヨーロッパ退屈日記』 著:伊丹十三 550円 新潮文庫 (右)『深夜のラジオっ子』 著:村上謙三久 1600円 筑摩書房

《いか文庫 本日は閉店なり》もうイッカい行きたいヨーロッパ!


店主(以下 店):バイトちゃん、 この前はお先に夏休みもらっちゃって、店番ありがとう!

バイトちゃん(以下 バ):いえいえ。ヨーロッパ旅行は満喫できましたか?

店:想像以上に楽しかった !!

バ:それはよかったです! いちばんの思い出は?

店:いろんな本屋さんに行けたことかなぁ。あ、でも、すごくうれしかったのが、アーティーチョー クを初めて食べたこと!

バ:念願のアーティーチョーク… ついに食べたんですね。

店:そう! ヨーロッパ生活での出来事やネタをまとめた、伊丹十 三さんのエッセイ集『ヨーロッパ 退屈日記』に出てくるんだよね。

バ:お味はどうでしたか?

店:それがね、本には「茹でるだけで美味しい!」って書いてあったから、そういうものしかないと思ってたんだけど、ヨーロッパの人は、 いろんな方法で調理して食べるんだって。総菜屋さんに行ったら、 3〜4種類くらいあって、なにがなにやら選べなくって…。

バ:食感はゆり根みたいって、たしか本に書いてあった気が…。

店:うん、味はそら豆って書いて あったよね。それを想像してたんだけど、全然違う食べ物でした。

バ:私もいつか食べてみたいなぁ、アーティーチョーク。

店:いつか本の通りに茹でて食べてみよう!バイトちゃんは、ヨーロッパと言えばで、思い出す本ってある?

バ:「ルリユールおじさん」という、パリの製本職人さんのことを描いた絵本を思い出します!

店:それ知ってる!とってもキレイな絵本だよね〜。

バ:ルリユールという職業は日本には存在しないらしいのですが、壊れた本を修理してくれたり、お 気に入りの本を自分好みの装丁にしてくれるお仕事のようです。

店:そうなんだ。

バ:でも、電子書籍などによる IT化、製本工程の機械化が進んで、職人さんは減っていると、あとがきに書いてありました。

店: そうなのか…。

バ:物語は、壊れた植物図鑑を直してもらうために、少女が製本職人「ルリユールおじさん」を訪ねるんですけど…。大切にしていた本が、愛情をこめて修理されて、生まれ変わって…。

店:うん、うん。

バ:本を大切にする文化があるヨーロッパは素敵だなと思ったし、ヨーロッパの本屋さんめぐりをし てみたいなぁと思いました!

店:今回パリで、1826年創業の美しい古本屋さんに立ち寄ったんだけど、本当に本を愛して大切にしているんだなぁって思ったんだよね。本屋で働く身として改めて、心を込めて本を手渡して行こうって誓いました。いつか一緒にヨーロッパ出張にも行こうね!

バ:はい!バリバリ働きます!





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