井上ひさし作の舞台『イヌの仇討』が再演。出演する彩吹真央にインタビュー。

カルチャー, 演劇

元宝塚男役スターで女優の彩吹真央が、17日に横浜市泉区民文化センター テアトルフォンテ ホールで開幕する井上ひさし作の舞台「イヌの仇討」(演出・東憲司、19日まで)で、約3年ぶりに和ものに挑む。作品は2017年以来の再演となり、忠臣蔵をテーマに、吉良上野介に焦点を当てた異色作。彩吹は前回に続き、上野介の側妻、お吟を演じる。稽古が佳境に入った彩吹に、作品について話を聞いた。
                   
 ――再演するにあたり、課題などがあれば教えてください。役の魅力、ご自身のアピールポイントも合わせて教えてください。


 「初演時は、井上ひさし先生が生み出された、せりふを体に染み込ませることに時間を費やしましたが、再演は、その上に重ねて、お稽古ができるので凝り固まらず柔軟に役と向き合いたいと思います。私が演じるお吟は、登場人物の中で最も現代人に近い感覚を持っていますので意見の対立の種になることもありますが、それが作品の爽やかな彩りになればいいなと思っています」


 ――これまで出演作は洋ものが多いと思いますが、和ものの魅力とは? 苦労する点など
があれば教えてください

 

 「(和ものは)やはり日本人が日本人を演じることこそが強みだと思います。万人のルーツでもある〝時代もの〟は潜在的に琴線に触れますし、演じていても心地いいです。もちろん所作や着物の着こなしは必須ですが、ありがたいことに、宝塚歌劇団在団中に、たくさん経験させていただきましたので、これからも大好きな和ものの舞台に挑戦していきたいです」


 ――ズバリ、作品の見どころは


 「正義と正義の対立が描かれていますが、誰もが正論を唱えています。最後に誰が間違っているかに気付かされるところに、井上ひさし先生の戯曲の面白さがあると思います。『忠臣蔵』の常識を覆す、本当の『忠臣蔵』がここにあると思っています! 作品をごらんいただいて、ぜひ吉良上野介ファンになっていただけたらうれしいです!」


 ――では最後に、今年の抱負をお願いします

 

 「昨年は芸歴25周年の記念のライブを開催したり、たくさんのオリジナルミュージカルに挑戦させていただききました。昨年の経験、そしてこの25年間積み重ねてきた経験を自信に変えて、役者としての探求心と好奇心に素直に向き合っていきたいと思います」

 

 作品についての詳細は、こまつ座ホームページで。

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彩吹真央(あやぶき・まお)

6月9日、大阪府出身。1994年に宝塚歌劇団入団。
豊かな歌唱力と芝居巧者の男役スターとして活躍し、2010年に退団。退団後はミュージカルやストレートプレーなど舞台を中心に活躍中。主な出演作は「サンセット大通り」「シラノ」「ラブ・ネバー・ダイ」「End of the RAINBOW」「フリーダ・カーロ」など。2019年に芸歴25周年記念ライブ「Le Printemps -春-」を開催した。


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