山梨県在住の写真家 桑嶋維(つなき)氏の作品展が、山梨県立美術館のエントランスにある「ギャラリー・エコー」で開催されています。
桑嶋さんは1972年に東京で生まれ、20代の頃イギリスで学び、2000年から国内で活躍しています。その作品の一部はイギリスの大英博物館やヴイクトリア&アルバート博物館などに収蔵されています。
今回、山梨県立美術館で展示されている作品「真夏の死」は、約400年前の薩摩藩支配の時代から伝わる奄美・徳之島の闘牛を撮影したものです。歴代最高の闘牛「福田喜和道1号」の全盛期と引退後の姿を捉え、美術プリント技術では最高峰であるコロタイプを使用し、最大規格120×120センチの大判プリントをCUBEに貼り付け立体化し、表現しています。作品の前面は、「福田喜和道1号」の全盛期の姿を、裏面は死ぬ間際の姿になっています。天井部分は牛の背中です。作品はCUBEのため中に潜り込むことができ、かつて風葬が行われていた場所の写真となっています。
なぜ、「闘牛」なのか。桑嶋さんは「2000年頃から、コミュニケーションというテーマのもと、闘牛を撮っています。闘牛、闘犬、闘鶏など、日本だけでなく世界中同じような文化がありますが、日本人というフィルターを通すと全く違う物になるのです。他の国ではギャンブルの一つである闘牛や闘犬などが、日本では独特のコミュニケーションの一つになっているのです。だから、牛が死ぬまでは戦わせず、逃げたところで終わりになります。日本人の気持ち、日本人らしさを大切にして伝わってきた文化、闘牛ですが、やがては消えゆくものでしょう。だからこそ残していきたいと強く思ったのです」と語っています。「360度見渡すことができ、中に潜り込むこともできます。この作品を是非、体感してみてください」。
桑嶋維さん、作品と共に
桑嶋維展
会場:山梨県立美術館 ギャラリー・エコー(美術館エントランス)山梨県甲府市貢川1-4-27
会期:12月18日(日)まで(休館日は11月24日と28日、12月5日と12日)
開館時間:午前9時~午後5時
観覧料:無料
山梨県立美術館HP http://www.art-museum.pref.yamanashi.jp/.../2.../0...
桑嶋維HP http://www.tsunakikuwashima.com