聖護院だいこんや堀川ごぼうなど京都府産食材をふんだんに使った特別料理が楽しめるイベント「京のおもてなし―2018・早春―」が28日(水)まで、開催中です。東京都内や京都府内の飲食店計120店が参加、都内では北参道のフランス料理店「ル・ヴェルデュリエ」や二子玉川の京料理店「たん熊北店」など17店が参加しています。普段なかなか出回らない食材を味わう絶好のチャンスですよ。
今回のイベントで楽しめる食材のうち、京野菜の知られざる魅力を紹介します。なかでも、京の伝統野菜は、明治以前から栽培されてきた歴史のある野菜で、原種に近いものもあり、品種改良などによって失われてしまった栄養成分を残していると、最近注目されています。たとえば、「花菜」。在来種のアブラナ科ナタネの一種で、一般的な「菜花」はセイヨウアブラナの仲間であり、別の品種です。古くは燈火用の油を絞る目的で栽培されていたものが、切り花用になり、やがて花茎を食べるようになりました。菜花が茎を味わう野菜であるのと異なり、花菜は軸が短く、ブロッコリーのように花芽を味わいます。ほろ苦い風味と歯ごたえが特徴で、からし和えなどに最適。ビタミンやカルシウムなども豊富です。

「堀川ごぼう」は、越年栽培の大型ごぼうで、中の空洞に、肉やエビを詰めて煮物にします。香りが高く、繊維が柔らかいので味がしみこみやすいのが特徴です。まるっと大きな「聖護院だいこん」は、苦みがなく、ほんのりとした甘みがあります。長時間炊いても煮崩れず、とろっと仕上がりますので、ふろふき大根やおでんに向いています。


エビのような表面の縞模様や形が特徴の「えびいも」は、サトイモの一種「唐の芋」です。水田土壌で栽培し、特殊な土入れ作業やこまめな栽培管理を行い、わざと湾曲した大きな子芋に育てます。ねっとりした独特の食感と旨味があります。「九条ねぎ」は葉が柔らかく、甘みがあるのが特徴で、薬味や煮物、鍋にも向いています。
最近の研究で、京の伝統野菜は他の一般野菜に比べ、高い抗酸化能力を持つことがわかってきたそうです。美味しくて健康になれるなんて、一石二鳥ですね。

二子玉川の京料理店「たん熊北店」では「京のおもてなし特別会席」(7800円、サービス料、税別途)を用意。京花菜の辛子和えや、ますの九条葱焼き、シャキシャキとした食感が特徴の海藻「アカモク」を使った、あかもく出汁巻き、京都府産牛バラ肉と海老芋の京味噌煮などが楽しめます。牛バラでも赤身の多い部位を使い、西京味噌で煮た、コクのある濃厚な一品。ニンジンの甘みと海老芋のとろけるような食感が味わえますよ。お好みでゆず胡椒を合わせながらいただきます。

北参道のフランス料理店「ル・ヴェルデュリエ」では27日(火)までの期間中、ランチ、ディナーともにすべてのコース料理で京都のブランド食材を楽しめます。メニューには、えびいもを使った「鶏・海老芋・フォアグラ・奈良漬のマーブル仕立て トリュフ風味」や「聖護院蕪のスープ」、「京野菜と海老のテリーヌ」などがあり、シェフの小林浩一さんは「京都生まれ、京都育ちの私にとって京野菜はソウルフード。京野菜とフレンチを掛け合わせた“ジャボネフレンチ”是非味わってほしいです」と話していました。

おいしいだけじゃなく、健康にも良いのに、なかなか出回らない京都府産食材。ぜひこの機会に京の味覚を楽しんでくださいね。
【京のおもてなし-2018・早春-】
期間:~28日(水)まで
http://kenko-kyoyasai.jp/omotenashi/
※その他参加店はHPで
●たん熊北店 二子玉川店
世田谷区玉川3-17-1玉川高島屋S.C南館11F
11:00~16:00(L.O.15:00)、17:30~23:00(L.O.21:00)
03-5797-3388
●ル・ヴェルデュリエ
渋谷区千駄ヶ谷4-19-12monparte北参道B-1
11:30~14:00(L.O.)、17:30~21:30(L.O.)
水曜定休
03-6447-4394