美術館よりも敷居が高い印象をもたれがちなギャラリー。もっと気軽にアートを楽しんでほしいとの思いから、外光を取り入れて展示室を明るくしたり、通行人が室内をのぞきこみやすように工夫した現代アートのギャラリー 「LOKO GALLERY」が東京・代官山に誕生しました。
現在、開催中の展覧会は、和田昌宏さんの「Rμv-1/2gμvR=(8πG/c^4)Tμv」。和田さんの作品は、大がかりな可動式のセットとストーリー性を持った映像の融合が特徴です。今回の展示作品は、奥多摩のアトリエで制作された、 40mのレールの上を地球儀が燃えながら転がっていくシーンや回転する光の輪などの映像で、宇宙を意識したものとなっています。
日頃接する機会が少ない一般の人には、あまりなじみのない現代アート。そんな現代アートをもっと知ってもらうため、「ここは作家やキュレーターなどのアート好きが集い活躍する場、誰でも自由にアートを感じられる場を目指している」とオーナーで元テレビマンの遠藤和夫さんは話しています。
ギャラリーの展示室は、多くのギャラリーにありがちな白い壁に囲まれた窓のない四角い部屋ではなく、1,2階が吹き抜けで、窓から光が入り、外を通る人からギャラリーの中が見えるため、気軽に入りやすい構造になっています。3階は作家たちが、一定期間滞在しながら作品を制作するアトリエとして提供できるそうです。

Photo:Toshihiro SOBAJIMA
ギャラリーにはオープンテラスのあるカフェ「私立珈琲小学校」が併設され、元小学校教諭のバリスタ、吉田恒さんが丁寧に入れるオーガニックのハンドドリップコーヒーなどが楽しめます。通りに面しているため、ギャラリーに入館しなくてもカフェだけの利用も可能です。カフェからギャラリーを訪れることもできます。
ギャラリーには、近くの小学校の生徒たちが下校途中に立ち寄って、にぎやかに見学していくこともあるそうです。遠藤さんは「わからなくてもそれでいい。子どものうちからアートに親しんでもらいたい」と笑顔をみせていました。
和田昌宏さんの個展は8月6日(土)まで。次回の展示は、8月11日(木)から、画家の近藤恵介さんと小説家の古川日出男さんがコラボした2人展が行われます。

珈琲小ブレンド400円 器は吉田さんの友人が制作した
LOKO GALLERY
住所:渋谷区鶯谷町12-6
開館時間:午前11時~午後7時
休廊日:日曜・月曜・祝日 入場無料