マルク=アントワーヌ・マチュー/『レヴォリュ美術館の地下-ある専門家の日記より-』 ©Futuropolis / Musée du Louvre éditions 2006

≪六本木≫16人の作家が第9の芸術〝漫画〟で表現したルーヴル


 ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」が、六本木ヒルズ森タワー52階の森アーツセンターギャラリーで開催されています。

 9番目の芸術と位置付けられるバンド・デシネという漫画文化をもつフランスの首都パリにあるルーヴル美術館では2003年、55万点を所蔵し200年以上の歴史を持つルーヴル美術館を漫画で表現するプロジェクトを立ち上げ、これまでに12作品を出版。今回は、日本の漫画家4人を加え、計16人の作家が独自の視点でルーヴルを描いた手書き作品などが展示されています。

 展覧会は3部で構成され、第1章「偉大なるルーヴル美術館」では、フィリップ・デュピュイ氏や谷口ジロー氏が、ルーヴルの展示作品や来場者など「表の顔」をテーマにして制作した作品を観ることができます。       

 第2章「ようこそ、異次元の世界へ」は、観る者をルーヴルの知られざる「裏側」へと導く作品を展示。名作には、それぞれに因縁のある亡霊がとりついているというコンセプトで制作されたエンキ・ビラル氏の「ルーヴルの亡霊たち」では、ビラル氏の想像力が生み出した作品の秘められたエピソード、ルーヴルで〝最も黒い絵〟を巡るサスペンスを描いた荒木飛呂彦氏の「岸部露伴 ルーヴルへ行く」では、荒木氏の大胆な構図と美しい色彩が楽しめます。

 第3章のテーマは「時空を超えて」。「モナ・リザ」の数奇な運命をたどる坂本眞一氏の「王妃アントアネット、モナリザに逢う」や、遠い未来、氷の中に閉じ込められたルーヴル美術館を発掘する調査隊を描くニコラ・ド・クレシー氏の「氷河期」のデジタル作品などが展示され、時空を越え普遍的な存在感を放つルーヴルを感じることができます。

 エンターテインメント性の高い「まんが」を発展させてきた日本ならではのダイナミックな展覧会です。9月25日まで。

エンキ・ビラル/『ルーヴルの亡霊たち』 ©Futuropolis / Musée du Louvre éditions 2012



荒木飛呂彦/『岸辺露伴ルーヴルへ行く』 ©LUCKY LAND COMMUNICATIONS / 集英社


坂本眞一/『王妃アントワネット、モナリザに逢う』 ©坂本眞一 / 集英社



ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」

 森アーツセンターギャラリー

 開館時間:10:00~20:00

 観覧料金:一般1800円/高・大学生1200円/小・中学生600円

 問合せ:03-5777-8600(ハローダイヤル)

 公式サイト:http://manga-9art.com/


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