京橋の「アーティゾン美術館」で、マリー・ローランサンの展覧会が開催中。新たな表現を模索する者が集まるパリで、彼女は何を描いたのだろうか?
ふたつの大戦と狂乱の時代を生きた女性画家
マリー・ローランサン《プリンセス達》 1928年、大阪中之島美術館
ローランサンの活動を多角的に紹介する展覧会
20世紀前半に活躍した女性画家、マリー・ローランサン。サロン文化が花開いたパリで、彼女は、画家や彫刻家だけではなく、文筆家や詩人とも親しく交流し、自作詩も発表する。さらにはバレエの舞台装置や舞台衣裳のデザインも手がけるなど、幅広い活動をおこなっていた。
彼女は、キュビスムの画家として紹介されることが多い一方、美術史の中では位置付けるのが難しい存在でもある。同時代の画家マティス、ドラン、ピカソ、ブラックに影響を受けていると、かつて本人は語っているが、パステルカラーの画風に模倣は感じられない。
本展では石橋財団コレクションや国内外の美術館から、ローランサンの作品約40点、挿絵本等の資料約25点に加えて、ジョルジュ・ブラックやパブロ・ピカソ、藤田嗣治などローランサンと同時代に活躍した画家たちの作品約25点、合計約90点を展示。ローランサンの画業を複数のテーマから紹介し、関連する他の画家たちの作品と比較しながら、彼女の魅力を紹介する。
「狂乱の時代」と呼ばれる1920年代のパリ。その時代の中で、ローランサンはどのように独自の作風を築いていったのだろうか。本展をめぐりながら考えたい。
国内外の作品がアーティゾン美術館に集結
《パブロ・ピカソ》1908年頃、マリー・ローランサン美術館
《帽子をかぶった自画像》1927年頃、マリー・ローランサン美術館
《三人の若い女》1953年頃、マリー・ローランサン美術館
《椿姫 第3図》1936年、マリー・ローランサン美術館
About Marie Laurencin
20世紀前半のパリで活躍した女性画家
《三人の若い女》を制作中のマリー・ローランサンの1953年頃の写真、マリー・ローランサン美術館
マリー・ローランサン(1883-1956)
パリのアカデミー・アンベールで学び、キュビスムの画家として活動を開始。1914年にドイツ人男爵と結婚し、第一次世界大戦中はフランス国外へ亡命する。1920年に離婚を決意してパリに戻り、1921年の個展で成功を収める。第二次世界大戦勃発後も、ほとんどをパリで暮らし、1956年に72歳で亡くなるまで制作を続ける。
マリー・ローランサン ー時代をうつす眼
Marie Laurencin: An Eye for Her Time
3月3日(日)まで、京橋「アーティゾン美術館」で開催中!
会場:アーティゾン美術館6階展示室(中央区京橋1-7-2)
時間:10:00~18:00(2月23日を除く金曜日は20:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日(2月12日は開館)、2月13日
入場料:ウェブ予約チケット1800円、窓口販売チケット2000円、学生無料(要ウェブ予約)
同時開催:石橋財団コレクション選(5、 4階展示室)、特集コーナー展示 野見山暁治(4階展示室)
詳しくは公式WEBサイトへ
ARTIZON MUSEUM
https://www.artizon.museum/
お問い合わせ
アーティゾン美術館
Tel. 050-5541-8600(ハローダイヤル)