フィンランドを代表するデザインブランド「マリメッコ」で、最も有名な図案デザイナーといえばマイヤ・イソラ(1927~2001年)。彼女が手掛けたケシの花柄「ウニッコ」に見覚えのある人は多いだろう。同国の自然や伝統的モチーフから着想し、約500もの図案をマリメッコに提供したイソラだが、中でも魅力的なのが大ぶりでグラフィカルな柄だ。
例えば「カイヴォ」は、わき上がる泉を大胆にデフォルメしている。どの柄も、手描きの線の微妙な揺らぎが、温かみを感じさせる。東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「マリメッコ展」では、フィンランド・デザイン・ミュージアムの所蔵品から、ファブリック(布地)やドレスなどに加え、貴重な図案の下絵も紹介されている。