ニューヨークを拠点に世界を魅了する
現代美術家、松山智一による個展
展覧会タイトル「FIRST LAST」には、「最初で最後」という松山の思いと、キリスト教の「後の者が先になり、先の者が後になる」という教えが重ねられている。代表作から最新作まで、絵画に加え、期間限定の野外彫刻を含む立体作品、映像作品も展示。グローバルな視点で世界を捉え、引用して再構築する。松山の作品世界を一望できる機会となる。
松山智一
TOMOKAZU MATSUYAMA
現代美術家。1976年岐阜県生まれ、ブルックリン在住。絵画を中心に、彫刻やインスタレーションを発表。東洋と西洋、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異文化間での自身の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を制作する。
対立、分断、混沌とした世界を色彩で調和し、
希望を描く
蛍光色のような鮮やかな色彩が、深い藍や錆色と出会い、時に主張し合い、時に優しく溶け合っていく。そこには東洋と西洋、伝統と革新が交差する不思議な世界が広がる。ニューヨークを拠点に活動するアーティスト・松山智一の作品は、見る者の心を揺さぶる色使いと、さまざまな文化を引用した独自の表現で、今、世界中から注目を集めている。
松山のニューヨークにあるアトリエには、数百、数千という色彩が保管されている。それぞれにナンバリングが施され、現代的な色から日本の伝統色まで、独自に調合された色彩が並ぶという。その一つひとつに、異なる文化の記憶が込められているかのようだ。
そんな独自の表現を形作ったのは、波乱に満ちた人生経験だ。飛騨高山で幼少期を過ごした後、父親が突如「牧師になる」と決意して一家でロサンゼルスへ。治安の良くない地域でマイノリティとしての暮らしが始まった。日本に戻ってからも、今度は「帰国子女」という立場に。どこか居場所が定まらない、そんな感覚が松山の心の奥に刻まれていった。
2002年、デザイナーを目指してニューヨークに渡った松山は、若手アーティストたちの熱気に満ちたブルックリンで、人生の転機を迎える。デザインとアートの本質的な違い「問題を解決するのか、問題を提起するのか」という問いに向き合い、アーティストの道を選んだ。
松山の作品は、10代から20代を過ごした90年代のサンプリングカルチャーにも影響を受けている。ヒップホップが音楽の一部を引用して新しい曲を生み出したように、ファッションの世界でもデザイナーと同じようにスタイリストが注目を集めるようになった時代。既存のものを組み合わせて新しい価値を生む。松山はその手法を絵画に取り入れ、東洋と西洋、伝統と革新を自在に融合させていく。
「希望」。松山はこの言葉をよく口にする。混沌とした時代だからこそ、自身の作品を通じて希望を見出してほしい。さまざまな文化や価値観が交錯する現代に、調和の可能性を探る。その試みは、鮮やかな色彩とともに、私たちの心に問いかけてくる。
大作から最新作まで日本初公開作品
15点を含む約40点を展示!
《We Met Thru Match.com》 2016(H254 x W610cm)
《Passage Immortalitas》 2024(H267 x W470 cm)
《Keep Fishin’ For Twilight》 2017(H213.5 x W457.5 cm)
《20 Dollar Cold Cold Heart》 2019(H267x W172cm)
50点以上の展覧会グッズ。
コラボアイテムも見逃せない!
会場では、50点以上の展覧会オリジナルグッズも販売。コラボアイテムは争奪戦のため、早めの来場がおすすめ!グッズの詳細は公式サイトでご確認を。
ジャヌ東京とアフタヌーンティーの
コラボレーション
ジャヌ東京5階の「ジャヌラウンジ & ガーデンテラス」では、3月15日(土)から5月11日(日)まで「アフタヌーンティーwith Art by Tomokazu Matsuyama」(1万100円)を提供!
松山智一展
『FIRST LAST』
supported by UNIMAT GROUP
麻布台ヒルズ ギャラリーで5月11日(日)まで開催中!
公式サイト
https://www.tomokazu-matsuyama-firstlast.jp/
音声ガイドは、展覧会ナビゲーターの
永野芽郁