もって帰りたい1冊の本[持って帰りたい銀座 02]


森岡書店

毎週、新しい本の誕生を祝う本屋

ガラス張りの入り口から店内をのぞくと、「1冊の本を売る」というコンセプトの通り、テーブルには本が1タイトルだけ。銀座の裏通りにひっそりたたずむ「森岡書店」では、毎週1冊の本を選び、「1冊の本から派生する」展覧会が開かれる。

「茅場町で本屋をしていた頃、新刊のイベントを行うと、1冊の本のためだけに人は来店してくれました。著者も読者も喜んでくれて、店としても利益が上がる。1冊の本さえあれば、本屋は成り立つんじゃないかと思ったのが、この店をはじめたきっかけです」と店主の森岡督行さん。

オープンして1年。いまは海外からのお客さんも多く、著者など本づくりに関わった方々とお客さんが出会える、風通しのよい場所になっている。銀座のはずれで毎週新しい本の誕生を祝う「森岡書店」で、自分のために本を1冊もって帰ろう。

今までに森岡書店に並んだ、本

『誠実な詐欺師』

著:トーベ・ヤンソン/翻訳:冨原眞弓
ちくま文庫 740円
ムーミンでおなじみのフィンランドの作家、トーベ・ヤンソンによる小説。展示では、彫刻家の沢田英男が『誠実な詐欺師』で描かれている世界観をもとに、彫刻作品を制作し、本とともに展示された

『アラマメ』

著:荒木経惟
黒河内デザイン事務所 3700円
ファッションブランド《mame》と、写真家・荒木経惟によるコラボレーション「アラマメ」の作品集。本に収められている16点のうち、10点のオリジナル作品が展示され、販売も行われた


森岡督行(もりおかよしゆき)

1974年、山形県生まれ。1998年に神田神保町の一誠堂書店に入社。2006年に東京・茅場町にて古書店兼ギャラリー「森岡書店」として独立し、2015年5月から「1冊の本を売る」というコンセプトを携え、銀座にオープン


8月9日(火)~14日(日)『叢 小田康平の多肉植物(現代企画室)』展

「いい顔してる植物」をコンセプトに、独自の美しさを提案する植物屋「叢—Qusamura」の店主・小田康平が選び抜いた48点の植物を収めた写真集

8月16日(火)~28日(日)『小説の家(新潮社)』展

柴崎友香、山崎ナオコーラ、最果タヒ、青木淳悟、いしいしんじ、古川日出男、円城塔など人気作家たちによる短編を、福永信が編んだアンソロジー

取材時には、女性4人のユニットsunuiの『カンカンバッチ』出版記念展が開催されており、店内にはアンティークの菓子型を使ったカンカンバッチも並んでいた

MORIOKA SHOTEN

中央区銀座1-28-15 鈴木ビル 1F
TEL:03-3535-5020
[営] 13:00〜20:00
[休] 月





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