銭湯で見つける、下町の風景[ほっとする 西日暮里]

おでかけ

今でも銭湯文化が色濃く残る、荒川区・西日暮里。富士山のある新・旧の銭湯で、“ほっ”としてみて。

千歳湯

熱い湯で、ざばっとリフレッシュ

 どっしりした瓦屋根やヤシの木が目印の玄関に、銭湯ののれんがかかる。西日暮里駅から10分ほどのところにある昭和32年創業の「千歳湯」。一歩入れば、番台から湯船にいたるまで懐かしいつくり。脱衣所には、かぶるタイプのヘアドライヤーや学校で使われていた体重計などが並ぶ様子は、まるで映画のセットさながら。浴場にある立派なペンキ絵は、日本で唯一の女性銭湯絵師・田中みずきさんによるもの。熱めのお湯につかって、富士山を眺めると、心も洗われるよう。

女湯は鏡の縁やシャワーヘッドの絶妙なカラーリングがかわいい。男湯との仕切りの向こうに、富士山が見える

冷蔵庫には、銭湯では定番の飲み物がズラリ。湯上がりのぼーっとしながら、どれにするかを悩む時間も楽しみの一つだ

CHITOSEYU

荒川区西日暮里4-8-4
[TEL]03-3828-0229
[営]15:30〜24:00
[休]金

日暮里 斉藤湯

老舗による、新しい湯どころ

 80年以上の長きにわたって地元の人々に愛される「斉藤湯」は、3年前にフルリニューアル。かつて、日本で最後の「三助」(背中を流す職人さん)がいる銭湯として知られていたが、いまは銭湯でありながら、おいしい生ビールを注いでくれる「ビアマイスター」がいることで話題だ。誰にとっても居心地が良いように、フロントを広々とつくり、湯船の温度をちょっと下げた。タイルで描かれた富士山を眺めつつ、下町情緒を残したまったく新しい銭湯を心ゆくまで楽しんで。

2カ月に1度、レディースデイが開催され、女性のためだけに「斉藤湯」が開放される。開催日はホームページでチェックしてみて

オリジナルタオルは肌触りや吸水性にこだわった一品。200円で提供するのは、「風呂屋はタオルで儲けちゃいけない」という想いから

NIPPORI SAITOYU

荒川区東日暮里6-59-2
[TEL]03-3801-4022
[営]14:00〜23:30
[休]金
http://saito-yu.com


西日暮里 街と湯 Editor's Note

 「銭湯がある街は、安心できるいい街なんだよ」。そう語るのは、斉藤湯の三代目ご主人・斉藤勝輝さん。いま以上に銭湯が庶民にとって身近だった頃、このあたりの空には煙突が何本も突き出していたという。煙突のある風景も、銭湯ののれんをくぐった先にある様子も、この街ならではの、ほっとできるシーンだった。しかも、西日暮里のある荒川区は、銭湯に親しみを持ってほしいという想いから、他の区に比べて銭湯料金が安い。街と銭湯との協力が、下町文化を支えている。


荒川区内浴場料金

大人 15歳以上 460円
中学生 12歳以上15歳未満 300円
小学生 6歳以上12歳未満 180円
小人 6歳未満(未就学児)
大人1名につき小人2名まで無料
※3人目からは80円



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