街に暮らす人たちの絆を感じられる「代々木上原」
私がこの街を選ぶ理由
下町の雰囲気と、閑静な住宅街。グルメもファッションも充実し、さまざまな文化が交わって、近年ますます洗練された雰囲気となっている、代々木上原。この地にレストラン「フルール・ド・エテ」をかまえるオーナーシェフの庄司夏子さんに、この街の魅力を聞いた。
暮らしを豊かにするもので、満ちている街
住所非公開・完全予約制のレストラン「フルール・ド・エテ」。オーナーシェフを務めるのは、庄司夏子さん。有名レストランで修業を積み、2014年に代々木公園駅近くに店をオープンし、2019年12月に現在の代々木上原に移転した。
「店の場所は、都心部からのアクセスのよさと、当店のケーキを楽しんでくださる客層を意識して決めました。開店して気づいたのは、この街では、お客様と店との距離も、人と人との距離もとても近いということ。このあたりにあるお店は、常連のお客様で埋まることも日常的にあるんです。店のスタッフがお客様の名前を覚えていたりもして。人と人とが、深い絆で結ばれている気がしています」
外出自粛を余儀なくされている期間にも、ここ代々木上原には、特別な何かを感じていたという。
「飲食業界は大変なときですが、このエリアのお店は、しっかりとサバイブしているお店ばかり。街ゆく人もみんな笑顔で、元気なんです。こんなときだからこそ、地域の人たち同士が支え合っているんだと思います」
日々店の厨房に立ち、芸術的な料理を生み出している彼女。出かける間も惜しいほど忙しい日々を送っているというが、プライベートでこの街に出かけるときは、どんなときなのだろう。
「リサーチのために飲食店に行くことが多いですね。テイクアウトやデリバリーで、スタッフと一緒に店で食べることもあります。よく利用しているのは、『ミ・チョリパン』。感度の高い人が多いこの街には、敷居が高そうなお店も多いのですが、実際に入ってみるとアットホームな雰囲気のところばかり。私の店の近くにある『鮨武』さんも、高級なお寿司屋さんですが、大将はとっても気さくですしね。あとは、特別なときに行きたい『sio』のようなレストランもある。この街には花屋さんが多いことも、暮らす人の豊かさを表しています。住むのにも最高の街だと思います」
次ページでは、インタビューに登場した庄司さん御用達の店を紹介。このエリアならではのスポットを通じて、地域の暮らしや住みやすい雰囲気を紹介したい。
FLEURS D’ ÉTÉ
予約サイト「OMAKASE」にて受付
https://omakase.in/r/ll989546