箱根は、これから美しい景観が楽しめる旅先のひとつ。この数年、気軽に旅ができませんでしたが、箱根にはその間も、魅力的なスポットが続々オープンしました。ひとり旅でも、みんなと一緒でも楽しめる、あたらしい箱根を巡りに出かけてみませんか?
《強羅》
ニコライ バーグマン
箱根 ガーデンズ
ここは、自然と一体になれる場所
その森へ入ると、雨が静かに降り始めた。聞こえるのは、背の高い木々の枝葉にあたる雨音と鳥の声。足元を見ると、間伐材のウッドチップが敷き詰められている。ふかふかとした心地のいい足場に、自然と歩みもゆっくりに。雫をたたえた新緑の森は、包み込むように私たちを迎えてくれた。
デンマーク出身のフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン。彼が8年前に出合ったのが、広さ約8400坪のこの森だった。手つかずの自然がそのまま残るこの場所を、ニコライさんと彼のスタッフが5年かけて整え、今年4月に「ニコライ バーグマン 箱根 ガーデンズ」として開園した。
「自然と一体になれる場所」を目指して必要最低限の整備をしたという園内には、ニコライさんによるフラワーアートや季節の花が所々に置かれている。標高630メートルに位置するこの場所でも四季折々の花を楽しめるよう、植物はあえて地植えをせず、鉢植えで配置。季節ごとの自然からインスパイアされ、植物の配置も変わるそうなので、訪れるたびに、異なる表情を楽しむことができる。
ゆっくり巡れば1時間ほどの広さの園内には、「パビリオン」と呼ばれるガラスの小屋が。フラワーアートが展示されているパビリオン、園内のカフェでテイクアウトしたフードを食べられるパビリオンなどもある。ニコライさんの生涯を通してのプロジェクトとして、このガーデンは今後も進化を続けていくという。箱根を訪れる楽しみが、またひとつ増えた。
ドライフラワーのバラを使ったニコライさんのフラワーアートが見られるのも、このガーデンの魅力。
園内にはいたるところに季節の花が。取材時は、色とりどりの紫陽花が咲いていた。
ニコライさんの作品が展示されている「バレービューパビリオン」。園内でいちばん高い場所にあるパビリオンで、山々を一望できる。
ニコライさんとスタッフでつくりあげた小道。敷き詰められたウッドチップは、この場所に生えていた木を再利用したもの。毎日手入れをしているので、いつ訪れても美しい景観を楽しむことができる。
園内にあるカフェ「Nicolai Bergmann NOMU hakone」。店内の長いテーブルも、倒木を使用してニコライさんとスタッフが手づくりしたものだという。
国産小麦のプルドポークサンドイッチ(右奥) 1650円、じゃがいもとデンマーク産ブルーチーズのサラダ(手前) 1650円、有機緑茶レモネード(左奥) 660円
カフェのメニューはすべて園内で食べることができる。その際は専用のバスケットに入れてくれるので、晴れた日は自然の中で食事を楽しむのもおすすめ。
NICOLAI BERGMANN
HAKONE GARDENS
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1323-119
箱根登山バス「こもれび坂」から徒歩5分
開園日:火〜日
※3部制(10:00〜12:15/12:30〜14:45/15:00〜17:00)。人数を制限しているので、事前の予約がおすすめ。
休園日:月
料金:一般 1500円(事前予約)、1800円(現地購入)、学生 1100円(事前予約)、1400円(現地購入)、小学生以下 無料
Tel: 0460-83-9087
https://hakonegardens.jp