街を彩る鮮やかな髪色の人々。ブリーチにカラー、パーマなどヘアスタイルを自由に楽しみやすくなったいま、髪をいたわることの重要性も増してきている。髪にとって、何が悪くて、何が心地いいのか?いつまでも美しい髪でいるために、あらためて、髪と頭皮の健康について考えてみよう。
ネガティブをポジティブに変換する
シルクのヘアアクセサリー
《TRESSE》SOPHE Mini ChouChou 2piece in Set5 3300円
SC MINAMO NIGHTCAP RIBBON 9900円
ヘアスタイリストとして活躍するshucoさんが、毛髪診断士の資格をとって活動の場を広げたのは、自分自身の髪へのコンプレックスと向き合ったのがきっかけだという。
「幼少期に円形脱毛症を発症、今日まで最新医療や漢方などあらゆる治療を試してきました。パリで活動していたときは地下鉄の風が強くて、風で髪がめくれて頭皮が見えてしまうのがストレスで。そのときのパートナーには『悪いことをしているわけじゃないのだから、気にしなくていいんだよ。もっと堂々として』と言われ、仕事仲間からは『君はヘアの仕事をしているのに髪がなくなるなんて、皮肉だね』などと言われて、自分自身が否定されたように感じました。その出来事をきっかけに、自分の中にある、自分の髪に対するネガティブな思いと向き合い、ポジティブに変えたいと思うようになったんです」
その後ウィッグの広告撮影の仕事に出会い、「髪の毛は人に自信を与えるもの」と気づかされたことも、現在の仕事につながったという。
「それは髪に編み込むタイプの長期間つけっぱなしにできるウィッグで、私の仕事は、薄毛や部分的に髪のないモデルの子供たちにウィッグをつけ、地毛となじませてスタイリングすることでした。ウィッグがないと恥ずかしくて学校に行けないという子もいて、スタイリングしたあと『ああ、これでやっと学校に行ける』と言っていたのが印象的でしたね。おしゃれが大好きな子ばかりで、ウィッグをつけると、パッと目が輝きだすんです。それを見て、髪の毛はファッション以前に、アイデンティティを支える、すごく大切なものなのだと感じました」
そうした経験から、髪の気になる部分を手軽にカバーできて、純粋におしゃれを楽しめるヘアアクセサリーをつくりたいと思い、ライフスタイルブランド『TRESSE(トレス)』を立ち上げた。shucoさんがつくるヘアアクセサリーは、髪の悩みを持つ人もそうでない人も、誰もが手軽に印象を華やかに変えられるのが魅力だ。
「ヘアメイクするにも、健康な髪がなくてはできません。だからヘアアクセサリーをつくるときも、髪をいたわる視点を重視しています。髪の健康を保つための基本ケアとしては、お風呂で首を温め、ブラッシングして頭皮の血行をよくするのもいいと思います。加齢による髪の悩みには、亜鉛やビタミンを積極的に取り入れるのもいいでしょう。カラーリングをするなら、髪や頭皮にダメージが少ない方法を美容師さんに相談してみるのをおすすめします」
髪が元気だと、気持ちもハッピーになれるもの。おしゃれを楽しみながらも、髪をいたわり、育むことも大切にしたい。
shucoさん
ヘアスタイリスト・毛髪診断士。都内でのサロンワークを経て渡仏。各国のモード誌やコレクションなどでヘアメイクを手がける。帰国後もさまざまな媒体でヘアスタイリストとして活動。2020年に自身のヘアアクセサリーブランド《TRESSE》を立ち上げ、活躍の幅を広げている。
How to keep healthy hair
髪をいたわりながら
手軽にドレスアップ
shucoさんが手がけるヘアアクセサリーの多くは、髪が触れる部分にはシルクを使用している。シルクは通気性に優れ、夏は涼しく、冬はあたたかく、髪や頭皮にもやさしい。シュシュにスカーフを結びつければ、毛量が少なくてもボリュームアップした印象に。夜はナイトキャップをかぶって眠れば、乾燥や髪の摩擦を防ぎ、朝起きたときに髪がまとまりやすくなる。