その小さな港町は、都心からあっという間にたどり着ける。神奈川県の三浦半島、そのさきっぽ三崎へ、新たな風を感じに、出かけてみよう!
古くて、新しい。
いま三崎がおもしろい!
品川から約1時間、京浜急行の終点・三崎口駅を降りて、京急バスでおよそ20分。大根畑の間を抜けて坂を下ると、小さな港町にたどり着く。神奈川県三浦市にある、ここ三崎は、古くから沖合・遠洋漁業の拠点として栄え、昭和初期にはマグロの水揚げ量が全国でトップクラスとなった町。最盛期には、寄港した船乗りたちが羽目を外す町として大きく賑わったという。そんな港町が、いま再び盛り上がりをみせている。移住し何かを始める人が増えているのだ。
「少し不便なところも愛おしいよね」。そう話すのは、20年前に三崎に移住した音楽プロデューサーの藤沢宏光さん。本人は「城ヶ島大橋が見える物件に惚れて、うっかり移住した」と笑うが、町の人たちが集まる「ミサキプレッソ」や「ミサキドーナツ」を始めたり、「かもめ児童合唱団」のプロデュースをしたりと、この町を盛り上げてきた。
2月3日には、奥渋谷で人気飲食店を手がけるヤマモトタロヲさんも「カフェ フォセット」をオープン。この町に、また新たな風が吹きこんだ。三崎の本格的な旬は、きっとこれから。今はまさにその”走り”の時期だ。魅力増すこの町に出かけてみよう。
開店準備中のフォセットを訪れた藤沢さん(右)とタロヲさん(左)。2人とも三崎に魅せられ、それぞれのペースでこの町での暮らしを楽しんでいた。
町のみんなが集まるお店
ミサキプレッソ
おいしい料理とお酒と音楽と
音楽プロデューサーの藤沢宏光さんが営む「ミサキプレッソ」は、漁師から音楽関係者までが集うカフェ。常に音楽が流れている店内で、「三浦野菜の焼きサラダ」、「ゴボウ香るボロネーゼ」、「生ダラのアクアパッツァ」、「タルトフランベ」など、寺尾研シェフによる地元の野菜や魚を使った料理を堪能できる。コーヒーのほか、ビールやワインも。つい話に花が咲く居心地のよさがある。
「炙りシメサバとアボカドポテトのケーキ仕立て」(800円)。白ワインとの相性抜群。
大きな窓ガラスが特徴的。「店先で子どもが遊ぶ姿がよく見えるよ」(藤沢さん)
店内には、藤沢さんがプロデュースする「かもめ児童合唱団」のポスターやCDも。
食べ応え◎の「インディアンポークステーキ」(1200円)。
MISAKI PRESSO
神奈川県三浦市三崎3-4-10
Tel. 046-882-1680
[営]土日12:00〜21:00
[休]月〜金
ここが三崎の最先端!
カフェ フォセット
三崎の最先端に誕生したのは
奥渋谷の人気店「ミメ」や「ヨヨナム」を手がけるヤマモトタロヲさんが、三崎にカフェをオープン。三浦野菜やマグロの生ハムなど、この地の食材を使ったガレットやクレープ、焼き菓子などを楽しめる。並びにある「3204 bread&gelato」のジェラートも持ち込んで、クレープと一緒に食べることもできる。波止場の目の前と、まさにここが三崎の最先端!
三浦野菜がたっぷり乗った、サラダ仕立てのガレット。卵と生ハムがいいアクセントに。
店からは海が見える。ちなみに店名のFossetteはフランス語で「えくぼ」という意味。
オーナーのヤマモトタロヲさん(右)と、シェフの重田陽子さん。
バターとグラニュー糖だけで焼き上げたブールシュクレ(クレープ)。
CAFE FOSSETTE
神奈川県三浦市三崎3-12-10
Tel. 046-884-3970
[営]金土日8:00〜17:00
[休]月〜木