憂うつになりがちな梅雨の時期でも、準備をしておけば軽やかに出かけられる。防水・透湿素材の代名詞「GORE-TEX(ゴアテックス)」から誕生した新素材や、各メーカーが手がける独自素材を使用した高機能なレインウエア、雨の日も楽しくなる安心のシューズまで、さまざまに紹介。お気に入りのアイテムを取り入れて、雨の日の過ごし方を変えてみよう。

「GORE-TEX プロダクト」のアウターには、ウインドブレーカータイプ(左)はもちろん、スタイリッシュなトレンチコートタイプ(右)などもある。
※ゴア社の技術を用いた素材や製品について、防水性・防風性・透湿性を備えた素材は「GORE-TEX メンブレン」、このメンブレンを使用してつくられる生地は「GORE-TEX ファブリクス」、この生地が使われたウエアやシューズなどの製品は「GORE-TEX プロダクト」と表記しています
“GORE-TEX”
その品質へのこだわりと
新たな素材開発とは?

有名なアウトドアブランドのほか、スポーツメーカーやアパレルブランドのコラボレーションアイテムにも採用されている「GORE-TEX ファブリクス」。各社が採用を続ける理由は、素材に絶大な信頼を寄せているから。詳細は下記にて。

すべてのGORE-TEX プロダクトには、「GUARANTEED TO KEEP YOU DRY(ドライな着心地を保証する)」と記されたタグが付いている。

「GORE-TEX ファブリクス」にお湯を注ぐと、水は通さないがコップが曇る。防水性と透湿性が働いている証拠。

日本ゴア合同会社
ファブリクス・ディビジョン
GORE-TEX ブランド
マーケティング コミュニケーション
平井真理子さん
レインアイテムの最注目素材
“GORE-TEX”を知る
多くのレインアイテムに使われる「GORE-TEX(ゴアテックス)」の登場から、まもなく50年。常に進化を続けてきたGORE-TEXブランドから、PFC(有機フッ素化合物)を使用しない画期的な新素材「GORE-TEX ePEメンブレン」が誕生した。“GORE-TEX史上最大の革新”とも評されるこの素材の開発について、日本ゴア社の平井真理子さんに話を聞いた。
そもそも「GORE-TEX」とは何なのか。生地の基本構造について、平井さんは次のように説明してくれた。「GORE-TEX プロダクトになくてはならないのが、『GORE-TEX メンブレン』と呼ばれる、薄い膜のような生地。これに表生地と裏地を張り合わせてできる、防水性・防風性・透湿性を備えた生地を『GORE-TEX ファブリクス』と呼び、この生地がさまざまな製品に使われています」。過酷な状況下でもその機能が損なわれぬよう、ゴア社ではGORE-TEX ファブリクスを使用して各メーカーから販売される製品を自社の設備でテスト。耐久性を確かめる摩耗試験や引張試験、レインルームで防水性・防風性を確かめる試験、実際に人が着用して体を動かし、発汗しても快適でいられるかを測る試験など。そのすべての項目でゴア社の厳しい基準を満たした製品のみ、「GORE-TEX プロダクト」としての販売を許されるという。
GORE-TEX プロダクトのレインウエアやスノーウエアなどには、水や油を弾く性質のあるメンブレンの製造過程の一部や撥水加工において、PFCが使われてきた。アウトドアウエアとしての品質を担保するためになくてはならないものであった一方、各国で環境などに悪影響をおよぼす可能性が懸念されていた。そこでゴア社は、PFCフリーの素材開発に着手。10年もの歳月をかけて、GORE-TEX ePEメンブレンの開発に成功した。環境に配慮されていることに加えて、品質もさらに向上したと平井さんは話す。「PFCの代替としてポリエチレンを使用することによって、品質はそのままに、従来のGORE-TEX ファブリクスよりも薄く軽くなりました。いっそう軽やかに着ていただけると思います」。
ゴア社では、2025年秋までに、提供するすべてのGORE-TEXファブリクスにePEメンブレンを採用することを目指している。さらに、表生地と裏地にリサイクル生地を使用したり、生地の着色過程をより環境負荷の少ない方法に切り替えたりと、品質と環境への配慮を両立させた素材開発にも取り組んでいる。アウトドアや雨天時の行動をサポートしてくれるGORE-TEX プロダクト。機能性もデザイン性もすぐれた各メーカーのラインナップをチェックして、長く愛用できるアイテムを見つけてみよう。

生地の核となる素材「GORE-TEX メンブレン」の原料は、ホタル石を粉末状にしたもの。

ゴア社にある試験設備「レインルーム」では、小雨から暴風雨までさまざまな気象条件を再現し、製品が基準を満たしているかを測定している。

GORE-TEX プロダクトのシューズは、靴内の湿気を逃がしてくれるためムレを感じにくく、日常使いにもおすすめ。