3)アートの旅
CASE 1. 韓国で現代アートに触れる
世界中から集めた新しい感覚の
芸術を、気軽に体感できる
羽田から約2時間半。時差なしというアクセスのよさで、気軽に行ける海外として人気の韓国・ソウル。エンタメをはじめ、食や美容、ファッションに加えて、最近は“アート”も渡韓の目的になるほど注目を集めている。とくにソウルはいま、現代アートの新しいハブとして急成長し、新しいギャラリーも続々とオープン。世界のアート市場に大きな影響を与え、盛り上がりを見せている。人気アイドルグループ「BTS」のRMも美術館めぐりが趣味であることが知られ、国内ではMZ世代も強い関心を寄せているという。なかでも、韓国のアートシーンを牽引する「国立現代美術館」、サムスングループが運営し伝統美術から国内外の現代アートを展示する「リウム美術館」、新進気鋭の作家の展示に定評がある「FOUNDRY SEOUL」は訪れたい。
韓国の美術館やギャラリーは、建物も魅力的。作品だけでなく建築や街並みも楽しみ、感性を刺激する旅を楽しんでほしい。
ファウンドリーソウル
at Korea
©FOUNDRY SEOUL
Courtesy FOUNDRY SEOUL,
Seoul Photo by Kyung Roh
“いま”を切り取ったようなアートに出合えるギャラリー。梨泰院(イテウォン)エリアに位置し、2021年にオープン。
©FOUNDRY SEOUL
Courtesy the Artist and FOUNDRY SEOUL,
Seoul Photo by Kyung Roh
韓国発の新人作家を発掘し、展示。地下と地上で見せ方が変わる、ユニークな展示法も魅力。
FOUNDRY SEOUL
ソウル市ヨンサン区イテウォン路223(漢南洞)
[営]10:00〜18:00
[休]日・月
https://foundryseoul.net
【ACCESS】
地下鉄6号線「イテウォン」駅2番出口から徒歩約8分。
リウム美術館
at Korea
©Kyung Sub Shin
2004年オープンのサムスン文化財団が運営する美術館・博物館。3つの棟から構成され、M1はマリオ・ボッタ、M2はジャン・ヌーヴェル、児童教育文化センターはレム・コールハースと、著名な建築家が設計している。
国宝などを含む古美術を展示したM1と、国内外の現代アートを展示するM2からなる。
LEEUM MUSEUM OF ART
ソウル市ヨンサン区イテウォン路55ギル60-16(漢南洞)
[営]10:30〜18:00(入館は17:30まで)
[休]月・1月1日・旧正月連休・旧盆連休
https://www.leeumhoam.org
【ACCESS】
地下鉄6号線「ハンガンジン」駅1番出口から徒歩約7分。
国立現代美術館
ソウル館
at Korea
©Park Jung Hoon
韓国の現代アートと、さまざまな時代の国際美術を収蔵する韓国で唯一の国立美術館。ソウル館のほか、国内に3館ある。
MMCA提供
開放感のある広大で贅沢な空間は圧巻。1階の第1展示室、地下1階の第2展示室では、2026年5月3日まで「韓国現代美術のハイライト」を展示。
NATIONAL MUSEUM OF MODERN
AND CONTEMPORARY ART, KOREA
ソウル市チョンノ区サムチョン路30(昭格洞)
[営]月・火・木・金・日 10:00〜18:00/水・土 10:00〜21:00
[休]1月1日・旧正月連休・旧盆連休
https://www.mmca.go.kr/jpn/visitingInfo/seoulInfo.do
【ACCESS】
地下鉄3号線「アングク」駅1番出口から徒歩約12分。
CASE 2. 青森ならではの美術館めぐり
美しい自然や歴史と調和した、
街を彩る美術館
世界遺産の白神山地、十和田湖、青森ねぶた祭に八戸三社大祭。りんごや海の幸…。歴史と文化が息づき、四季折々の魅力がある青森県。板画家の棟方志功、現代美術家の奈良美智、洋画家の葛西四雄、彫刻家・特撮美術監督の成田亨、劇作家の寺山修司など、数多くの著名な芸術家の出身地として知られ、いま、個性的なアートの世界を楽しめる国内屈指の場所としても人気を博している。
絵画だけでなく、音楽、舞踏、演劇などに興味がある人にも訪れてほしい「青森県立美術館」。作品の一部になるかのような感覚でアートの楽しさを体感することができる「十和田市現代美術館」。築100年以上の建物を前に、歴史に思いを馳せることができる「弘前れんが倉庫美術館」。青森の美術館はそれぞれに豊かな魅力があり、また、広い土地を生かした、美しい自然になじむ佇まいと空間づくりも印象的。喧噪を離れ、ゆったりした時間が流れる中でアートを堪能してみては。
十和田市現代美術館
at Aomori
撮影:小山田邦哉
レアンドロ・エルリッヒ《建物—ブエノスアイレス》2012/2021年。“百聞は一見に如かず”な体験ができる常設作品。
©YAYOI KUSAMA 撮影:小山田邦哉
十和田市中心市街地にある官庁街通り全体を美術館に見立てた「Arts Towada」の一環で、美術館向かいのアート広場には、まちなか常設展示として、草間彌生 《愛はとこしえ十和田でうたう》2010年も。美術館と街の境界をなくした「ひらかれた」美術館としても魅力的。
屋内外に展示されている収蔵作品は約40点。先進的な現代アートを最良の方法で展示し、アートによる新たな体験を提供。展示室だけでなく通路やエレベーターなど、さまざまなスペースに展示された作品を見つけるのも、楽しみのひとつ。
TOWADA ART CENTER
青森県十和田市西二番町10-9
[営]9:00〜17:00(入館は16:30まで)
[休]ホームページ参照
Tel. 0176-20-1127
https://towadaartcenter.com
【ACCESS】
「東京」駅から「八戸」駅まで、新幹線にて約2時間50分。八戸駅から十和田観光電鉄バスで約1時間。「官庁街通」下車後、美術館まで徒歩約5分。
青森県立美術館
at Aomori
三内丸山遺跡から想を得た建築は、青木淳による設計。青森にゆかりのある現代美術家を中心に、ここでしか見られない展示内容に定評がある。舞台芸術など多様な文化芸術活動の展開を目指すため、バレエ作品「アレコ」の背景画、マルク・シャガールの「アレコ」の4幕のうち3枚も収蔵。
《あおもり犬》2005年 ©Yoshitomo Nara
美術館の屋外スペースに立つ奈良美智の《あおもり犬》は、一緒に撮影することもでき、親しまれているスポット。
AOMORI MUSEUM OF ART
青森県青森市安田字近野185
[営]9:30〜17:00(入館は16:30まで)
[休]第2、第4月(祝日の場合は翌日)・年末年始
Tel. 017-783-3000
https://www.aomori-museum.jp
【ACCESS】
「東京」駅から「新青森」駅まで、新幹線にて約3時間20分。新青森駅東口バス乗り場から「県立美術館前」まで、ルートバス「ねぶたん号」にて約10分。
弘前れんが倉庫美術館
at Aomori
Photo: ToloLo studio
年間2本の企画展のほかに、コレクションのひとつであるジャン=ミシェル・オトニエル《エデンの結び目》(2020年)を、展示室の入口前で見ることができる。弘前市出身の奈良美智の作品にも出合える。
明治、大正時代に地元の名士・福島藤助の日本酒工場として建設された、れんが造りの建物。その後、2000年代に3回開催された奈良美智展をきっかけに美術館として改修され、2020年に開館。「記憶の継承」をコンセプトに、未来へとつなぐ建物の改修を手がけたのは、建築家の田根剛。
HIROSAKI MUSEUM OF CONTEMPORARY ART
青森県弘前市吉野町2-1
[営]9:00〜17:00
※金・土はスタジオ、ライブラリーのみ21:00まで
[休]火(祝日の場合は翌日)・年末年始
Tel. 0172-32-8950
https://www.hirosaki-moca.jp
【ACCESS】
「東京」駅から「新青森」駅まで、新幹線にて約3時間20分。新青森駅から「弘前」駅まで、奥羽本線にて約40分。弘前駅から徒歩約20分、タクシー約7分。